国家ブランド委員会

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国家ブランド委員会(こっかブランドいいんかい)は、大韓民国大統領直属の国家機関。2009年1月22日、大統領令第21283号「国家ブランド価値向上に関する規定」(以下、“規定”と呼ぶ)に基づき設置された。

設立目的と活動[編集]

国別の日韓評価 (2010年 BBC調査)
国名 韓国を肯定評価 日本を肯定評価
大韓民国の旗 韓国 76% 64%
中華人民共和国の旗 中国 57% 29%
フィリピンの旗 フィリピン 50% 77%
アメリカ合衆国の旗 アメリカ 46% 65%
チリの旗 チリ 45% 67%
インドネシアの旗 インドネシア 43% 71%
ガーナの旗 ガーナ 41% 53%
メキシコの旗 メキシコ 40% 31%
Flag of the Central American Integration System.svg 中央アメリカ 39% 54%
ブラジルの旗 ブラジル 38% 70%
カナダの旗 カナダ 37% 59%
日本の旗 日本 36% 43%
オーストラリアの旗 オーストラリア 35% 59%
ケニアの旗 ケニア 31% 68%
ナイジェリアの旗 ナイジェリア 31% 66%
フランスの旗 フランス 30% 48%
イギリスの旗 イギリス 29% 77%
ドイツの旗 ドイツ 28% 57%
ロシアの旗 ロシア 28% 50%
イタリアの旗 イタリア 23% 47%
ポルトガルの旗 ポルトガル 23% 43%
タイ王国の旗 タイ 23% 66%
スペインの旗 スペイン 22% 42%
アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン 20% 41%
インドの旗 インド 19% 33%
トルコの旗 トルコ 17% 34%
エジプトの旗 エジプト 13% 54%
パキスタンの旗 パキスタン 13% 25%

国家ブランド委員会は、国際社会における韓国の「地位」や「イメージ」や「国格」を向上させるための活動を体系的かつ総合的に取り組むために、大統領直属の機関として設立された。

以前から韓国言論では、韓国がGDP世界10位~20位台でありながら、外国における対韓国意識調査のアンケート等で「韓国の有名人」として金正日が挙げられるなど北朝鮮と混同されるほど国際的認知度が低い事や、「Made in Korea」の表記により韓国製品の商品価値が落ちてしまう事などを事例に、「韓国が本来保有している実力に対して韓国は国際社会から不当に低く評価されている『コリアディスカウント』現象がある」として、外国における日本の認知度や好意的評価と比較させる形で度々問題に挙げられており、このような状況が国家ブランド委員会の設立の背景にある。

国家ブランド委員会の大きな方針の下で、伝統文化ハイカルチャーの分野では韓国文化院が対外宣伝活動を行い、映画テレビドラマなどの放送映像・K-POPなどの音楽・アニメ漫画ゲームキャラクターなどの大衆文化の分野では、韓国コンテンツ振興院(KOCCA)を設立して、多額の予算を投入して民間企業のコンテンツ制作と輸出と宣伝を強力に後援しており、国家総出で韓国ブランドの振興に取り組んでいる。

国家ブランド委員会が統括する韓国政府の対外宣伝戦略は、日本を意識して計画されている面も多分にあると思われ、寿司等の日本食が世界化したことに習って「世界5大料理入りを目指す」として韓食の世界化を推推し、新日本様式に習って韓スタイルの名の下に韓国の伝統的な要素を現代の様々な製品に生かすことを提唱している。

また、魚允大(オ・ユンデ)委員長が、2010年11月にソウルで開催されたG20に関する韓国メディアの取材に答えて、「G20参加国の小・中学校教科書に掲載されている韓国に関連する内容のうち誤った部分について正していく」、「海外のウェブサイトやブログYoutube等で、韓国に関連する不正確な情報をすべて修正し、韓国のブランド価値をさらに高める」ことを活動のひとつとしてあげている。例えば韓国KBSの報道によると、日本のネチズン竹島問題に関して日本の領有権を主張する動画をYoutubeにアップロードしていることに対して韓国ネチズンらが韓国の外交部に動画を遮断するよう請願しており、外交通商部は関連部署の国家ブランド委員会と協議することを言明している。なお、このような宣伝活動は他に韓国政府の後援を受けた民間団体のVANKも行っている。

機能[編集]

規定第11条により以下の事項を審議する。

  1. 国家ブランド基本計画及び年次別実行計画の樹立・調整に関する事項
  2. 主要国家ブランド政策及び事業の調整に関する事項
  3. 中央行政機関別履行計画の点検及び推進実績の評価に関する事項
  4. 国家ブランド関連予算の効率的使用及び調整等に関する事項
  5. 国家ブランド価値向上のための制度改善及び法令整備に関する事項
  6. 国家ブランド関連国民の意見収斂及び参加に関する事項
  7. 国家ブランド関連官民協力等に関する事項
  8. 国家ブランド関連海外広報、国際協力及び国際交流に関する事項
  9. 国家ブランド関連基礎研究及び政策開発等に関する事項
  10. その他国家ブランドと関連する事項で委員長が付議した事項

会議は在職委員の過半数の出席でもって開かれ、出席議員の過半数の賛成で議決する。

組織[編集]

組織的な動きはしていない、K-POPブーム
組織的な動きはしていない、K-POPブーム

委員会は大統領による委嘱委員のほか、企画財政部長官、教育科学技術部長官、外交通商部長官、法務部長官、行政安全部長官、文化体育観光部長官、知識経済部長官、国土海洋部長官、国務総理室長、放送通信委員会委員長、ソウル特別市長、大統領室国家ブランド担当企画官(委員会幹事を兼任)の合わせて50名以内の委員で構成される。委員長は委嘱委員中より大統領が指名する。委嘱委員の任期は2年。

分科委員会[編集]

委員会業務を効率的に遂行するために設置されている。各分科委員会は委員長の指名により選ばれた10名以内の委嘱委員で構成される。任期は2年。

分科委員会一覧

  • 企画分科委員会
  • 企業・IT分科委員会
  • 文化観光分科委員会
  • 国際協力分科委員会
  • グローバル市民分科委員会

事業支援団[編集]

委員会所管の事務処理を担当する。

組織

  • 団長
    • 企画総括局
    • 企業IT局
    • 文化・市民局
    • 対外協力局

海外の反応[編集]

2011年2月26日に日本のフジテレビ関西テレビで放送された情報番組『Mr.サンデー』にコメンテーターとして出演した木村太郎は、国家ブランド委員会がYoutubeなどの動画投稿サイトなどでK-POP関連動画の再生数を上げるよう広告宣伝会社に依頼していると発言した。これが日本や韓国のメディアでも報道され、国家ブランド委員会の対外協力局が「大衆文化を国家がコントロールするのは常識的にありえない。」と反論し、フジテレビ側に訂正を求めた結果、翌週の放送で司会の宮根誠司滝川クリステルが追加説明の上で発言の一部を訂正した。

「韓流消費に関するアンケート」結果[編集]

韓流好きはわずか 11.0%。

  • 自分自身を「韓流好きと思うか」との質問に対し、「韓流好きと思う」は11.0%、「どちらかと言えば韓流好きと思う」が17.1%、「韓流好きとは思わない」は71.9%。
  • 年齢別に見ると「韓流好きと思う」、「どちらかと言えば韓流好きと思う」を合わせた回答率は 50歳代が最も高く(35.9%)、20歳代が最も低い(16.3%)。
  • 韓流ブームにより韓国製の製品購入意識が変わった主婦は15.2%。
  • 「韓流ブームによって、韓国製の製品購入意識が変わったか」と尋ねたところ、「変わった」の回答率は 15.2%、「変わらない」が 84.8%であった。

韓流ブームが主婦の消費行動に与えた影響は小さい。

一方、民団新聞では(2012年5月)[編集]

韓流の勢いが衰えるどころか、日に日に勢いを増してきていることを、生野区であらためて実感した。

一本の道路を挟んで韓流商品を扱う店が軒を並べている。確か、つい最近まではキムチ屋さんをしていたはずだ。店内にはK-POPのポスターやCD、アクセサリー、Tシャツなどで所狭し。いまや観光客が押し寄せる名所となっている。

「ねぇねぇこのお店よね?」と、50代とおぼしきアジュモニの一行。宝物のようなオモチャをようやく見つけた子どものようにはしゃいでいた。その表情は輝いていた。

イ・ホンギ、かっこいい」「やっぱりチャン・グンソクよねー」と話す顔はまるで女学生のよう。声も1オクターブはうわずっていた。

大好きな人のものなら、すべてそろえたいというのがファン心理。レジの前はタオル、靴下、ネックレスが山積み。その表情は恋する乙女そのものだった。目の錯覚なのだろうか、肌の色つやもいちだんと輝きを増したかのようだ。

韓国ドラマ「冬のソナタ」から始まった韓流ブーム。その昔、「朝鮮人」「キムチ臭い」と差別された時代の人たちが、こういったブームの訪れを想像できただろうか。いまや韓流はなくてはならないほど人々に浸透し、「若さの秘訣」にまでになっている。

夕方になり、「もう帰る時間!?」と残念そうに話すアジュモニたち。シンデレラのように幸せそうだった表情がいつのまにか、魔法が解けたかのように年相応のものにもどっていた。「さっきはやっぱり目の錯覚だったんや」と苦笑しながら店をあとにした。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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