講師 (教育)

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講師(こうし)とは、講義などを行う者のことである。

概要

教育施設学校など)や研究施設研究所など)に所属する、教員の1つのこと。

  1. 就学前教育から中等教育幼稚園から高等学校までの段階)では、教諭の下位、実習助手の上位に位置する。
  2. 高等教育大学大学院短期大学高等専門学校など)や研究施設では、教授准教授に準ずる職務に従事するものとされ、准教授の下に位置付けられる。学校教育法に定められる大学教員の基本的配置は、教授-准教授-助教であり、講師はそのつながりには含まれない。副学長・学部長・技術職員と同様、大学が必要と認めた場合に置かれる職である。
  3. 4.の「非常勤講師」と区別するため、「専任講師」「常勤講師」と呼ばれる。また、一部の医学部歯学部附属大学病院では助手というポストを廃し、すべて講師としている所もある。つまり大学教員としては助手で、診療スタッフとしては講師という少し曖昧な肩書きとなる。
  4. パートタイム勤務・契約社員のような立場で授業時間にのみ出勤して授業を行なう講師を「非常勤講師」という。大学によっては「兼任講師」「嘱託講師」といった名称を採用しているところもある。

他に、学習塾予備校の教員、講演会で講演する者、各種講習会などで指導をする者を講師と呼ぶ。

就学前教育・初等教育・中等教育

講師は、教諭又は助教諭に準ずる職務に従事する学校職員のことである。

常時勤務に服する講師(常勤講師)と常時勤務に服さない講師(非常勤講師)に分けられ、講師は一般的に臨時教員であり、公立学校の講師なら1年を超えない期間の契約で勤務する(国家公務員法第60条、地方公務員法第22条第2項の規定による)。大阪府では任用の期限を付した任期付講師と任用の期限を付さない講師に区分され、任用の期限を付さない講師を「教諭(指導専任)」と称させている。

常勤講師は、普通免許状、特別免許状、臨時免許状のいずれかの教員免許状を有していなければならない。非常勤講師も同様の免許が必要だが、特別非常勤講師の場合は教員の免許状がなくてもなることができる。ただし、特別非常勤講師が認定されるケースは、原則に反するため、統計上ほとんど存在しない(総合的な学習の時間を担当するなど限られている)。

高等教育

講師は、教授又は准教授に準ずる職務に従事する教育職員のことである。

一般的に専任の講師は、教授、准教授に次ぐ職位であり、人事上は准教授と専任講師が同じカテゴリーに属する扱いとなる(職階上は差がある)。また、専任講師は、教育や研究の事情に応じて、直接教授の職務を助ける場合もある(講座制を採る大学が少なくなった今日では表向きは稀である)。

講師には、専任である講師(専任講師)と専任でない講師(非常勤講師)がある。 名前は似ているが職務内容は大きく異なり、准教授に準ずる仕事(研究や校務)をする専任講師に対し、非常勤講師は授業のみを担当し、拘束時間も授業時間のみである。 非常勤講師の正式名称は「兼任教員」であるが、学内での慣習的な呼び方や年度初めに交付される辞令への記載は「非常勤講師」が一般的で、大学によっては「兼任講師」と呼ぶこともある。

なお、非常勤講師と、客員教授客員助教授などの客員教員とは別扱いであり、非常勤は授業だけを担当する。 客員教員は、本来は、その教員に担当を任せる所属講座や研究所が必要で、授業だけでなく研究や卒論指導などの業務も担当する。 この、本来的な意味での客員教員の場合、卓越した研究業績や技能を持つことが既に世間的な評価として定まっている者に対して、教授会への出席義務・その他学内行事準備などの雑務を免除など、教育と研究に専念できるような待遇を用意し、大学そのものの教育・研究水準を向上させることを目的としている場合が多い。 しかし、有名タレント・作家などが年に一度の講演などを行う他は、大学へ出講せず、事実上、単なる名前貸しとなっている場合もある。 また、客員講師の場合は、学生数の減少に伴って全国的に大学が人員削減を行っていることにより、その専門分野に於いて学術的な実力が充分あるにも関わらず、それに見合うポストに付けない若手を、学術の進歩のために温存する手立てとして、(主に)母校が「客員講師(専任扱い)」のような但し書き付きで肩書きを与えている場合が一般的である。

非常勤講師は基本的に年契約のパート労働者で、賃金も専任の教員と比べて低賃金のため(これは元々、講義内容のレパートリーを増やすために、他大学から必要な教員をいわば無償に近いボランティアとして相互に招く形で始まったため)、昨今では私立大学文系や教養科目を中心に人件費圧縮の手段となっている。博士の学位取得者が過剰になったこともこの傾向に拍車をかけており、大学関係者の間では大きな問題となっている。一方で、国公立大学の法人化に伴う経営合理化や、私立大学の営利重視の運営などが原因で、非常勤講師の削減に動く大学も増えており(その分は専任教員の過剰な負担となる)、学位を持ちながら非常勤講師として生計を立てている者(専業非常勤講師)の立場を脅かす恐れがある。

関連項目

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