ユリア・ヴァラディ

ユリア・ヴァラディ（Júlia Várady, 1941年9月1日 - ）は、ハンガリー出身のソプラノ歌手。

ハンガリー領ナジヴァーラドにてユーリア・テージェー(Júlia Tőzsér)として生まれる。６歳の頃からヴァイオリンを始め、10歳で地元のユース・オーケストラに参加。14歳の頃からクルジュのゲオルゲ・ディマ音楽院でエミリア・ポップに声楽を学び、ブカレストでアルタ・フロレスクにも声楽を師事。1962年にクルジュ歌劇場のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの《コジ・ファン・トゥッテ》の上演でフィオルディリージ役を歌ってデビューを飾る。1970年まで同歌劇場に所属し、イタリアにも客演。1970年にクリストフ・フォン・ドホナーニの知己を得、ドホナーニのオーディションを受けて1972年までフランクフルト歌劇場に出演し、国際的名声の足掛かりとした。1972年からバイエルン国立歌劇場に所属し、ベルリン・ドイツ・オペラにもたびたび出演した。1973年に同歌劇場に於けるジャコモ・プッチーニの《外套》の上演でディートリヒ・フィッシャー＝ディースカウと出会い、1977年に結婚。 1974年にはエディンバラ音楽祭でのスコティッシュ・オペラによるクリストフ・ヴィリバルト・グルックの《アルチェステ》の公演に表題役で出演してイギリス楽壇に初登場。1976年にザルツブルク音楽祭に初参加。1978年にはミュンヘン国立歌劇場でのアリベルト・ライマンの《リア王》初演にコーデリア役で出演している。同年、メトロポリタン歌劇場に初登場。1980年にはバイエルンとベルリンから宮廷歌手の称号を贈られた。1987年にはロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場に初出演し、その年のうちにベルリン・ドイツ・オペラの来日公演に参加する形で初来日を果たしている。1996年にオペラの舞台から引退し、ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で教鞭を執った。