ヤッシャ・ハイフェッツ

ヤッシャ・ハイフェッツ（ロシア語：Яша Хе́йфец；ラテン文字転写例: Jascha Heifetz, 1901年2月2日(ユリウス暦では1月20日) - 1987年12月10日）は、ロシア出身のヴァイオリン奏者、作曲家。本名はイオシフ・ルヴィモヴィチ・ヘイフェツ(ロシア語：Ио́сиф Ру́вимович Хе́йфец；ラテン文字転写例: Iosif Ruvimovich Heifetz)。

ヴィルナ出身。地元のオーケストラのヴァイオリン奏者であった父ルヴィムの手解きで２歳の頃からヴァイオリンを始めた。５歳の頃から地元の音楽学校に通い、イリヤ・ダヴィドヴィチ・マルキンにヴァイオリンを学んだ。音楽学校に入学したその年のうちに学生コンサートに参加し、1908年にはレオポルト・アウアーの前でアンリ・ヴュータンの《バラードとポロネーズ》を演奏して称賛されている。８歳の時にはコブノでコンサートを開き、フェリックス・メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏。1910年にはペテルブルク音楽院に進学し、イオアン・ナルバンディアンにヴァイオリンを師事。1911年にアウアーのクラスに編入し、翌年にはベルリン駐在の音楽評論家のアーサー・アベルの家で行われたプライベート・コンサートでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏して評判を取った。同年、ベルリン高等音楽院の大ホールでリサイタルを開いて公式にベルリン・デビューを飾り、アルトゥル・ニキシュの指揮するベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演して名を上げた。1914年にはプラハやワルシャワにも足を延ばしたが、第一次世界大戦のために演奏旅行は中断することとなった。1916年にはオスロでのノルウェー王室のための御前演奏会を行い、1917年にはシベリア経由でアメリカに渡り、アンドレ・ブノワのピアノ伴奏によりカーネギー・ホールでデビュー。その後、アメリカを本拠に世界各地に演奏旅行に出、1920年にはロンドンやパリに初登場。1925年にはアメリカ国籍を取得。1939年にはレジオンドヌール勲章のオフィシエ章を贈られ、1957年にはコマンドゥール章に昇格した。1941年にはピアノ奏者のアルトゥール・ルービンシュタインとエマヌエル・フォイアマンとで「百万ドル・トリオ」を結成したが、フォイアマンの死後はグレゴール・ピアティゴルスキーに交代した。1958年からカリフォルニア大学ロサンゼルス校で教鞭を執り、1962年には南カリフォルニア大学に転出した。1972年に演奏活動の第一線を退いたが、南カリフォルニア大学の学生コンサートには出演し続けた。1974年に肩の故障により演奏活動を止めたが、1983年まで南カリフォルニア大学で教鞭を執り続けた。

ロサンゼルスのシダーズ・サイナイ医療センターにて死去。