筑波大学

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筑波大学(つくばだいがく)は、茨城県つくば市天王台一丁目1番1号に本部を置く日本国立大学である。1973年に設置された。大学の略称は特にないが、筑波(つくば)、筑波大(つくばだい)、筑大(つくだい)などと呼ばれている。

目次

概観[編集]

大学全体[編集]

1872年明治5年)に日本で最初に設立された師範学校を創基とする東京師範学校(のち東京教育大学)を前身とする大学で、昌平坂学問所(昌平黌)を一部引き継ぐ形で設立された経緯もあり、その創立は日本で最も古い大学群の一つとなる。キャンパスが狭隘で分散していたので1963年昭和38年)8月27日閣議決定された筑波研究学園都市への移転が議論されたが、教授会間の意見のズレ・学生運動による入試中止があり、大学改革議論の中で、1973年(昭和48年)10月新構想大学として東京教育大学を母体に発足した。

筑波大学は筑波キャンパスの他に旧東京教育大学の敷地の一部も所管しており、東京都文京区大塚の旧東京教育大学の本部敷地には東京キャンパス文京校舎(旧称:大塚地区)として、首都圏にある附属学校を統括する学校教育局と社会人対象の夜間大学院である大学院ビジネス科学研究科、法科大学院や各種研究センターを設置している。

現在の国立科学博物館1889年(明治22年)から1914年大正3年)に「東京教育博物館」として再独立するまで、東京高等師範学校の附属機関として存在した。前身の東京教育大学は、4つの学校(東京文理科大学、東京高等師範学校、東京農業教育専門学校東京体育専門学校)を母体としており、さらに筑波大学になってからも2002年平成14年)に図書館情報大学と統合するなど、様々な機関の歴史を背景に現在へと至っている。

建学の理念[編集]

筑波大学は、基礎及び応用諸科学について、国内外の教育・研究機関および社会との自由かつ緊密なる交流連係を深め、学際的な協力の実をあげながら、教育・研究を行い、もって創造的な知性と豊かな人間性を備えた人材を育成するとともに、学術文化の進展に寄与することを目的とする。</br> 従来の大学は、狭い専門領域に閉じこもり、教育・研究の両面にわたって停滞・固定化し、現実社会から遊離しがちであるところ、筑波大学はこの点を反省し、あらゆる意味において、国内外にも国際的にも開かれた大学であることを基本的性格とする。</br> そのために本学は、変動する現代社会に不断に対応しつつ、国際性豊かにして、かつ、多様性と柔軟性とを持った新しい教育・研究の機能及び運営の組織を開発する。更に、これらの諸活動を実施する責任ある管理体制を確立する。

基本的な目標[編集]

「開かれた大学」、「柔軟な教育研究組織」、「新しい大学の仕組み」を基本理念として、以下の目標を掲げている。

  1. 自然と人間、社会と文化に係る幅広い学問分野において、深い専門性を追求すると同時に、既存の学問分野を越えた協同を必要とする領域の開拓に積極的に取り組み、国際的に卓越した研究を実現する。
  2. 高度で先進的な研究に裏打ちされた学士課程から博士課程までの教育を通じて学生の個性と能力を開花させ、豊かな人間性と創造的な知力を蓄え、自立して国際的に活躍できる人材を育成する。
  3. 科学技術研究機関が集積する筑波研究学園都市の中核として、教育研究諸機関および産業界との連携に積極的に取り組み、自らの教育研究機能の充実・強化を図るとともに、広く社会の発展に貢献する。
  4. アジアをはじめ世界の国々や地域に開かれた大学として、国際的通用性のある教育研究活動の展開と連携交流に積極的に取り組み、国際的な信頼性と発信力を有する大学を実現する。
  5. 教員と職員のそれぞれが個性と多様な能力を発揮しつつ協働することにより、次代における大学のあり方を追求し、新しい仕組みを実現するための大学改革を先導する。

大学像[編集]

国立大学法人化後のめざすべき大学像として「つくばダイアモンド」。

教育および研究[編集]

筑波大学のキャンパスは大きく分けて筑波キャンパス、東京キャンパスの2つに分かれている。筑波キャンパスの面積は 2,577,286m² と、大学の単一キャンパスとしては国内第2位の大きさである(ちなみに、第1位は九州大学伊都キャンパス、第3位は広島大学東広島キャンパス。総面積では、第1位は北海道大学、第2位は東京大学、第3位は九州大学)。ほとんどの教育・研究活動はここを中心に行われている。東京キャンパスは社会人大学院などのために使われている。

開学以来、「研究」と「教育」を分離しており、これは一つの特徴となっている。さらに、教育組織としての教養学部が存在せず、開学から全学共通の一般教養と学群・学類毎の専門教育を並行して受講するくさび型教育体制を採っている。これは1991年大学設置基準の大綱化を先取りした形になっている。

特に、医学専門学群は、旧来の2年制進学課程と4年制専門課程の区別を廃した6年一貫教育を日本の医学部で初めて行い、その後、筑波大に追随して6年制一貫教育を実施する新設医科大学も現れ始めている。

大学院には14個の研究科、大学には9個の学群(2006年度以前の入学者が属する学群は7個)がある。研究施設として全国共同利用施設が2個、学内共同教育研究施設が27個ある。

タイムズ・ハイアー・エデュケーション』の「世界大学ランキング 2014-2015」では、第351-400位、アジア第44位、国内第9位である。

学風および特色[編集]

積極的に産学連携活動を行っており、筑波大学発ベンチャー数は平成18年度末で61件(日本の大学で第3位)である。また、平成18年度の大学発ベンチャー新設数は8件(日本の大学で第1位)である。

2008年11月より学生活動支援GPに採択されたつくばアクションプロジェクト (T-ACT) が開始されている。これは学生の主体的な活動を支援する目的で大学・教員・学生の相互的な支援ネットワークを構築し活動のスタートアップサポートを行う組織である。

沿革[編集]

略歴[編集]

本学は1970年(昭和45年)に成立の筑波研究学園都市建設法および1973年(昭和48年)に改正の国立学校設置法(2004年廃止)により設置された。本学の前身であった東京教育大学は、1978年(昭和53年)に閉鎖された。

2002年(平成14年)、国立学校設置法の一部を改正する法律(平成14年法律第23号)により図書館情報大学と統合した。

年表[編集]

  • 1970年(昭和45年)10月 - 筑波大学建設事務所を開設。
  • 1973年(昭和48年)10月1日 - 筑波大学が開学。第一学群(人文学類、社会学類、自然学類)、医学専門学群、体育専門学群、附属図書館を設置。
  • 1975年(昭和50年)- 第二学群(比較文化学類、人間学類、生物学類、農林学類)、芸術専門学群設置。
  • 1976年(昭和51年)- 筑波大学附属病院を開設。
  • 1977年(昭和52年)- 第三学群設置(社会工学類、情報学類、基礎工学類)。
  • 1978年(昭和53年)- 東京教育大学が閉学。大学院博士課程社会工学研究科、医療技術短期大学部を設置。
  • 1980年(昭和55年)- 大学院博士課程医学研究科を設置。
  • 1981年(昭和56年)- 大学院博士課程工学研究科を設置。
  • 1983年(昭和58年)- 第三学群国際関係学類設置。
  • 1985年(昭和60年)- 第二学群日本語・日本文化学類設置。
  • 1989年(平成元年)4月1日
    • 大塚キャンパス(現東京キャンパス大塚地区)に大学院経営・政策科学研究科の1専攻として経営学社会人大学院「経営システム科学専攻 (GSSM)」を設置。
  • 1990年(平成2年)- 大塚キャンパスの法学系社会人大学院として「企業法学専攻」が追加設置される。
  • 1991年(平成3年)- 第三学群工学システム学類設置。
  • 1994年(平成6年)- 農林学類を生物資源学類に改称。
  • 1995年(平成7年)- 国際関係学類を国際総合学類へ改組。
  • 1996年(平成8年)- 大塚キャンパスの法学系社会人大学院に博士後期課程が追加され、「企業科学専攻」が設置される。
  • 1998年(平成10年)
    • 基礎工学類を工学基礎学類へ改組。
    • 大塚キャンパスの社会人大学院が経営・政策科学研究科から改組・再編され独立研究科として「ビジネス科学研究科」が設置される。
  • 2002年(平成14年)10月1日 - 図書館情報大学と統合。
    • 春日キャンパス(筑波キャンパス春日地区)設置。
    • 図書館情報専門学群および大学院博士課程図書館情報メディア研究科を設置。
    • 医学専門学群に医学類と看護・医療科学類を設置。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月 - 図書館情報大学が最後の卒業生を送り出し、閉学。
    • 4月1日 - 国立大学法人筑波大学が発足。
  • 2005年(平成17年)
    • 4月1日 - 秋葉原キャンパス(東京キャンパス秋葉原地区)設置。
      • 専門職大学院であるビジネス科学研究科法曹専攻および国際経営プロフェッショナル専攻設置。
      • 大塚キャンパスは東京キャンパス大塚地区に名称変更。
    • 8月24日 - 同年7月22日限りで廃止された筑波キャンパスの「学内バス」(北地区~春日地区を結ぶ循環路線)の代替として、新たに関東鉄道による「筑波大学循環」バス(つくばセンター発着)の運行開始。学生・関係者向けに低廉な定期運賃が設定される。
  • 2006年(平成18年)3月 - 医療技術短期大学部を廃止。
  • 2007年(平成19年)4月 - 本年度入学の学部一年生より、7学群(内専門学群4)15学類から9学群(内専門学群2)23学類に改組された新しい学群・学類に入学。
  • 2011年(平成23年)
  • 2013年(平成25年)9月30日 - 筑波大学石打研修所を廃止。

基礎データ[編集]

所在地[編集]

象徴[編集]

シンボルマーク[編集]

校章や大学名書体、基本色などの規格と使用基準 (VI: Visual Identification System) を定めている。

スクールカラー[編集]

紫峰という名の発行物もあるように紫は筑波大学のキーワードとなっている。スクールカラーは「筑波紫」(HTML#6600CC) であるが、その使用は義務付けられてはいない。たとえば、全国レベルで活躍する蹴球部のユニフォームは青色、バレー部のユニフォームは緑色である。

校章[編集]

筑波大学の校章は「五三の桐葉型」である。この桐章は東京高等師範学校の附属小中学校(現・筑波大附属小同附属中・高)で1888年11月に校章として制定されたことに起源を持つ。これは明治天皇の行幸の際、皇室の御紋章である五七の桐章を校章に用いるようご沙汰を頂いたことによる。しかし五七の桐では不敬にわたることがあってはとの理由で五三の桐となった。

その後、母体である東京高師においても1903年に改定された「東京高等師範学校生徒徽章」で制定され、1949年製作の東京教育大学学生バッジにも受け継がれて現在に至る。「桐紋」と呼ばれる図形は、菊花紋章と並んで日本国の伝統的な紋章として用いられているが、筑波大学の校章は花の部分のみ「蔭」で表現される独特なものである。

スローガン[編集]

平成22年度より開学の理念を象徴するスローガンとして「IMAGINE THE FUTURE.」を使用しており、掲示物に取り入れられているほか、横断幕などが学内の至るところで掲揚されている。考案はOBの一倉宏による。

校歌・応援歌[編集]

公式配布物である学生便覧に学生歌「常陸野の」および「筑波のガマ」の歌詞が掲載されていることから、実質上の校歌になっていると言える。「常陸野の」は入学式、卒業式の時に歌われる。入学式には新入生に歌詞が配られ、伴奏のもと校歌練習が行われる。しかし、学生の中に浸透しているとは言い難く、体育会の学生の間では宣揚歌「桐の葉」がよく歌われている。また、「IMAGINE THE FUTURE」の合唱等している学生も見受けられる。

筑波大学学生歌「常陸野の」
筑波大学開学間もない昭和50年1月に作られた歌である。東京教育大学から筑波大学への生まれ変わりを描いているとされる。
作詞は青木克彦、作曲は飯島睦子。
筑波大学学生歌「筑波のガマ」
筑波大学開学直後の時期の男子学生が(筑波大学の男子学生数は女子学生数の3倍にも上っていたため彼女を得たい一心で)学生宿舎の女子棟前で大声で歌っていたという笑い話が聞かれるが、事実ではない。実際には、「筑波のガマ」は少なくとも1980年まではほとんど歌われていない。
作詞は小田淳一、作曲は牧和美。
筑波大学宣揚歌「桐の葉」
東京高等師範学校時代の大正8年に大学昇格運動の一環として作成された。一番と二番の歌詞は当時学生であった大和資雄によるもので、三番の歌詞はのちに東京教育大学から筑波大学に改学される際に東京教育大学最後の学長である大山信郎によって加えられたもの。慶應義塾大学の応援歌が元曲である。
メッセージソング「IMAGINE THE FUTURE ~未来を想え」
スローガンの制定に伴いメッセージソングとして新たにOBの吉川洋一郎によって作曲された。作詞はスローガンと同じく一倉宏。最近では入学式・卒業式を始めとした公式行事で披露されることも多い。
校章「桐の葉」と新大団旗
筑波大学応援歌
  • 「立ちて勇姿を」
  • 「霊峰仰ぐ」
寮歌「桐花寮の歌」

教育および研究[編集]

学群・学類[編集]

教育研究上の基本となる組織の一つで、学生(大学院の学生などを除く)が所属する教育組織である。大学院が部局化されていない多くの大学の学部学科では教員と大学院生もこの中に含まれるが、学類/学系制では教育組織としての学群・学類と、教員および大学院生が所属する研究組織としての「学系」が異なる体系で存在している(この分類は、筑波大学以外に福島大学桜美林大学などで採用され、増加傾向にある)。

学群学類の再編(2007年度)[編集]

筑波大学の「学群・学類」制度は、学際性、文理融合などの観点に基づいていた。しかし、受験生や社会一般に対して理解しにくいという評価が長年あったことや、2000年から2001年にかけて行われた大学院の再編などを受け、学群・学類の再編成を行うことになり、2005年7月21日に正式発表された。

主な変更事項は以下の通り:

  • ナンバー学群制の廃止、学問内容による学群制の導入
  • 人間学類の学群化および主専攻レベルの学類化
  • 自然学類の主専攻レベルの学類化
  • 情報学類と図書館情報専門学群の「情報学群」化、情報メディア創成学類の新設
  • 工学基礎学類の名称変更
  • 医学専門学群の名称変更および看護・医療科学類の主専攻レベルの学類化

総定員に変更はない(2007年現在)。平成19年(2007年)度新入生から適用される。なお、2006年度までの学群学類制での入学者(および2008年度までの3年次編入学生)は卒業するまで、所属に関する変更は行わない予定である。

2007年度入学者からの学群構成[編集]

※2008年度までの3年次編入学生は従前の学群に属することとなる。

(学類名の右カッコ内は2007年の改組以前の組織での学類、△は専攻の学類化や新設された学類)
人文・文化学群
社会・国際学群
人間学群
生命環境学群
理工学群
情報学群
医学群
体育専門学群
芸術専門学群
国際化拠点整備事業(グローバル30)
  • 社会国際学教育プログラム(受け入れは「社会・国際学群(社会学類、国際総合学類)」)
  • 生命環境学際プログラム(受け入れは「生命環境学群(生物学類、生物資源学類、地球学類)」)
  • 国際医療科学人養成プログラム(受け入れは「医学群(医療科学類)」)

2006年度入学者までの学群構成[編集]

大学院[編集]

教育研究科(修士課程)
人文社会科学研究科(特に記さぬ限り、博士前期課程・博士後期課程)
ビジネス科学研究科(夜間開講)
数理物質科学研究科(特に記さぬ限り、博士前期課程・博士後期課程)
システム情報工学研究科(特に記さぬ限り、博士前期課程・博士後期課程)
生命環境科学研究科
人間総合科学研究科
図書館情報メディア研究科

社会人大学院[編集]

筑波大学の社会人大学院は、現在ではビジネス科学研究科 (GSBS) の3課程5専攻と人間総合科学研究科2課程4専攻を有している。

  • ビジネス科学研究科
    • 修士課程(博士前期課程)
      • 経営システム科学専攻【取得学位:修士(経営学)または修士(経営システム科学)】
      • 企業法学専攻【取得学位:修士(法学)】
    • 博士後期課程
      • 企業科学専攻
        • システムズ・マネジメントコース【取得学位:博士(経営学)または博士(システムズ・マネジメント)】
        • 企業法コース【取得学位:博士(法学)】
    • 専門職大学院
      • 国際経営プロフェッショナル専攻【取得学位:国際経営修士(専門職)】
      • 法曹専攻(法科大学院)【取得学位:法務博士(専門職)】
  • 人間総合科学研究科
    • 生涯発達専攻カウンセリングコース(修士課程)【取得学位:修士(カウンセリング)】
    • 生涯発達専攻リハビリテーションコース(修士課程)【取得学位:修士(リハビリテーション)】
    • スポーツ健康システム・マネジメント専攻(修士課程)【取得学位:修士(体育学)または修士(保健学)】
    • 生涯発達科学専攻(博士後期課程)【取得学位:博士(生涯発達科学)または博士(カウンセリング科学)または博士(リハビリテーション科学)】
特徴
  • ビジネス科学研究科の5専攻のうち、博士前期課程の専攻である、経営システム科学専攻 (GSSM)、企業法学専攻の2専攻と、博士後期課程の企業科学専攻は、都心に勤務する社会人が仕事を続けながら教育を受けられる夜間開講型の大学院である。これらの専攻では、従来からの大学院が授与する修士博士学位が与えられる。専門職大学院である国際経営プロフェッショナル専攻と法曹専攻(法科大学院)では、2003年の学校教育法改正で新たに創設された専門職学位(第三の学位)が授与される。
  • 人間総合科学研究科生涯発達専攻博士前期課程(カウンセリングコース、リハビリテーションコース)、同研究科障害発達科学専攻博士後期課程、同研究科スポーツ健康システム・マネジメント専攻修士課程は、研究科としては筑波キャンパスに設置された全日制の大学院であるが、これらの3専攻のみが、夜間開講の社会人大学院として、東京キャンパス大塚地区に設置されている。
  • 経営システム科学専攻は、1989年に設置された国立大学の社会人MBAの草分け的存在として知られている。関係者の間では同専攻の英語名称の頭文字をとって「GSSM」と呼ばれることが多い。同専攻の修了生には、修了後にベンチャー起業家と大学教授に転身する人が多いという特徴がある。日本経済新聞社と日経HRが共同で行った「通いたいMBA大学院ランキング」(調査期間:2012年5月28日~6月5日)では、ビジネス化学研究科 経営システム科学専攻が東日本の部で第10位にランクインしており、高い人気を博している。また、実際に学んでいた学生を対象にした「国内MBA学生満足度ランキング」(日経HR調査/調査期間:2009年7月~8月)では同専攻が第19位にランクイン。長く通用する理論を学ぶ授業の多さ、講師との密なコミュニケーション、適正な学費が高く評価されている。。

グローバル教育院[編集]

大学、または大学院課程で分野を横断する学位プログラム等の実施、運営を行うことを目的として、2011年12月に設置した。

  • ヒューマンバイオロジー学位プログラム
    2011年度に、文部科学省の「博士課程教育リーディングプログラム」に採択された。5年一貫の学位プログラムで、「人間生物学」の博士学位を取得できる。教育・研究には、医学医療系、生命環境系、システム情報系、数理物質系の教員があたるほか、企業や海外大学など外部からも教員を招いている。また、入試はボン北京タシケントホーチミン市ダラスチュニスでも実施している。
  • エンパワーメント情報学プログラム
    2013年度に、「博士課程教育リーディングプログラム」に採択された。「人間情報学」の学位が取得できる。学生の受け入れは2014年4月から。

研究組織(教員組織)[編集]

2011年10月から新たな教員組織として10の「系」を設置した。原則として教員はこのいずれかの「系」に属する。

[編集]

  • 人文社会系
  • ビジネスサイエンス系
  • 数理物質系
    • 数学域
    • 物理学域
    • 化学域
    • 物理工学域
    • 物質工学域
  • システム情報系
    • 社会工学域
    • 情報工学域
    • 知能機能工学域
    • 構造エネルギー工学域
  • 生命環境系
  • 人間系
    • 教育学域
    • 心理学域
    • 障害科学域
  • 体育系
  • 芸術系
  • 医学医療系
    • 生命医科学域
    • 臨床医学域
    • 保健医療学域
  • 図書館情報メディア系

学系[編集]

「系」の設置以前は教員研究組織として「学系」が設置されていたが、実際には教員大学院研究科に所属していた。「学系」の役割は失われており、2012年3月をもって廃止となった。

附属機関[編集]

筑波大学附属病院[編集]

筑波大学附属病院 を参照

附属図書館[編集]

筑波キャンパスの図書館は中央・体芸・医学・図書館情報学の4館に分かれる。日本の大学図書館としては珍しい全面開架方式を採っており、貴重書などを除いて利用者が本を自由に手に取ることができる。さらに学生・教職員ならば全ての図書館を自由に利用でき、学外者も所定の手続きを取れば利用可能であるなどオープンな制度となっている。のべ入館者数は年間100万人を超える。

中央図書館の蔵書数は約176万冊で、文理を問わずあらゆる分野の本を揃える。体芸・医学・図書館情報学の各図書館は、それぞれの名前の通り各分野に特化した蔵書が主であり、蔵書数は各館とも20万冊前後である。

上記4館のほか、東京キャンパスに大塚図書館がある。

附属学校[編集]

附属学校は11校あり、附属学校教育局が統括している。また、前身である東京教育大学閉学の際には、大学本体のみが茨城県つくば市へ移転し、各附属校は元の場所に残された。

平成16年4月1日の国立学校設置法など廃止、国立大学法人法など施行に伴い、国立久里浜養護学校は筑波大学の附属校となった。平成19年4月1日の文部科学省令の改正により、特殊附属学校は特別支援学校と名称を変更した。

なお、筑波大学の同窓会である茗渓会は、茨城県つくば市茗溪学園中学校・高等学校を運営している。同校は茗渓会設立100周年の記念事業として、また附属校が筑波研究学園都市に移転できなかった事情もあり同地に創立された。

全国共同教育研究施設[編集]

学内共同教育研究施設[編集]

  • 先端学際領域研究センター
  • 外国語センター
  • 体育センター
  • 留学生センター
  • アドミッションセンター
  • 北アフリカ研究センター
  • 学術情報メディアセンター
  • 研究基盤総合センター
  • サイバニクス研究センター
  • アイソトープ環境動態研究センター
  • 保健管理センター

部局附属教育研究施設[編集]

  • ビジネスサイエンス系
    • 大学研究センター
  • 数理物質系
    • 学際物質科学研究センター
  • 生命環境系
    • 農林技術センター
    • 菅平高原実験センター
  • 人間系
    • 教育開発国際協力研究センター
  • 医学医療系
    • 生命科学動物資源センター[注 1]
    • 次世代医療研究開発・教育統合センター(CREIL)
  • 図書館情報メディア系
    • 知的コミュニティ基盤研究センター
  • 附属病院
    • 陽子線医学利用研究センター
  • 附属学校教育局
    • 特別支援教育研究センター

その他の施設[編集]

  • 理療科教員養成施設
  • 心理・心身障害教育相談室(筑波キャンパス)
  • 心理・発達教育相談室(筑波キャンパス)
  • ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー
  • TLO(株)筑波リエゾン研究所
  • 筑波山気象観測ステーション

研究[編集]

21世紀COEプログラム[編集]

採択4件

  • 2002年度
    生命科学
    複合生物系応答機構の解析と農学的高度利用
    化学・材料科学
    未来型機能を創出する学際物質科学の推進
    学際・複合・新領域
    健康・スポーツ科学研究の推進
  • 2003年度
    学際・複合・新領域
    こころを解明する感性科学の推進

グローバルCOEプログラム[編集]

採択1件

  • 2007年度
    情報・電気・電子
    サイバニクス:人・機械・情報系の融合複合

文部科学省 先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム[編集]

高度IT人材育成のための実践的ソフトウェア開発専修プログラム[編集]

システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻は、2006年9月に文部科学省の先導的ITスペシャリスト育成推進プログラムの採択を受け、プロジェクト高度IT人材育成のための実践的ソフトウェア開発専修プログラムを発足している。

スポーツ・アカデミー形成支援事業[編集]

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、文部科学省が実施する「スポーツ・アカデミー形成支援事業」の委託先大学(Aタイプ)に採択された。オリンピズムの普及とスポーツ医科学研究の推進を図るため、同じく採択を受けた鹿屋体育大学及び日本体育大学と連携し、各国の体育・スポーツ系大学とのネットワーク構築を目指している。

経団連 高度情報通信人材育成に係る重点協力拠点[編集]

システム情報工学研究科は、2006年4月に日本経済団体連合会(経団連)の高度情報通信人材育成部会から「高度情報通信人材育成に係る重点協力拠点」認定を受けている。

学生生活[編集]

学生自治[編集]

筑波大学には、

  • 全学学類・専門学群代表者会議(通称:全代会、全学レベル)
  • クラス代表者会議(通称:クラ代会、学群・学類レベル)

という大学公認の学生組織があり、一般的な大学での自治会の代替的組織として学生の大学生活面における諸問題について、大学側と折衝を行っている。

サークル[編集]

筑波大学には、サークルの登録制度があり、課外活動団体(大学公式サークル)、一般学生団体(大学登録サークル)、その他の団体(大学非登録サークル、草サークル)の3段階に分けられる。

課外活動団体は大学教員を顧問とし、代表及び副代表を置き、3系と称される文化系サークル連合会(文サ)・体育会・芸術系サークル連合会(芸サ)の3団体のうち、いずれかの団体の審査を受けて正式加盟していることが、団体として認定される必須条件となっており、紫峰会からの活動援助金支給・大学からの物品支給・サークル活動場所(ミーティングスペースや荷物置き場)の提供・施設予約の優先などの権利が与えられる。

一般学生団体は大学教員を顧問とし、代表及び副代表をおくことが、登録においての必須条件となっている。

体育系の団体は主に体育系サークル館を、文化系・芸術系のサークルは文化系サークル館を中心にスペースを持ち活動している。

4月の入学式後には、新歓祭と呼ばれる、新入生歓迎とサークル勧誘を目的としたイベントが第1エリアを会場として行われている。

旧図書館情報大学のサークルは、統合後の部員減少により、その多くが解散・統合したが、残っているサークルは文サ・芸サの所属により課外活動団体としての存続、もしくは一般学生団体として存続するなどしており、今でも春日地区において活動を続けている。

課外活動団体[編集]

  • 文化系サークル連合会(通称:文サ連)
  • 体育会
  • 蹴球部、硬式野球部、柔道部、ラグビー部、剣道部などが存在する。

医学系の学生を主な対象とした医学支部も設置されている。 ダンス部は国立大学屈強の一つであり、全日本高校・大学ダンスフェスティバルでは文部科学大臣賞(優勝)を平成13年から平成19年にかけて5度受賞している。剣道部は私立の体育大学と対等に勝負できる実力があり、全国大会の常連であり、優勝経験もある。

  • 芸術系サークル連合会(通称:芸サ連)
  • 定期的に毎年、「つくば芸術祭」というイベントを主催しており、20年以上の歴史がある。
  • アカペラサークル Doo-wop からは RAG FAIR のボイスパーカッションである奥村政佳(おっくん)を輩出している。
  • 津軽三味線倶楽部無絃塾は名取(プロ)を何名も輩出している。学生サークルで唯一愛知万博に参加したサークルであり、台湾など海外への公演も行った。
  • THK筑波放送協会は、NHK全国大学放送コンテストで好成績を収めており、卒業生には声優やアナウンサーもいる。
  • 加藤幹郎(映画学)は、在学中に映像制作団体TET(現在の ViCC)で映像作品『ブリコラージュ』を監督している。
  • その他
  • 珍しいサークルとして、ダブルダッチサークルPurplume(パープルーム)がある。

学園祭[編集]

筑波大学には、毎年10月の体育の日)に筑波キャンパスの体芸棟から第2・第3エリアまでを使って行われる雙峰祭(そうほうさい)という名称の学園祭が存在する。模擬店祭と揶揄されることがあるほどの模擬店数(特に飲食関係)が特徴であるが、2001年より学内の研究成果の公開を目的とした学術研究企画が始まった。中でも、そのきっかけとなった「MRI による骨粗鬆症診断」は、ユニークな企画として大変な人気となっている。なお、学園祭の運営は、全学学類・専門学群代表者会議の下部組織である、学園祭実行委員会によって行われているが、過去には学生側と大学側が衝突する事態も発生し、1980年と1984年の2回、大学側によって中止が決定された。

その他に、やどかり祭(宿舎祭)という、毎年5月末の金・土に平砂宿舎駐車場を使って行われる祭が存在する。各宿舎に入居する学群1年生の多くがクラス毎に模擬店を出すのが慣例となっている。伝統的な企画としては、ゆかコン(ゆかたコンテスト)という学群対抗パフォーマンスイベントと、各学群が製作した御輿によるイベントがある。運営は、他の組織とは独立した組織である、宿舎祭実行委員会が行っている。

各学群・学類内における特徴的な活動・イベント[編集]

  • プログラムバグ慰霊祭(情報科学類)
    情報科学類において、自ら生み出しそれを滅したということに対する免罪の意味から、プログラムバグ慰霊祭(通称「バグ祭」)というイベントが実施されている。
  • 自然学類総合プロジェクト推進委員会[通称SP](自然学類・数学類・物理学類・化学類・地球学類)
    自然学類のクラス代表者会議から派生した、学類交流のための団体。学園祭の展示は恒例となっている。

各学群・学類内における刊行誌[編集]

かつては多数の学類誌が存在したが、2011年現在存在するのは以下の3誌である。

  • WORD(情報科学類)
    情報科学類の学類誌。1979年1月26日創刊。2009年に創刊30周年を迎えた[2]
    タイトルの由来は情報量のワードであり、Microsoft Wordからではない。
  • そおしあ~る(社会学類)
    社会学類の学類誌。
    1981年に創刊。2011年、創刊30周年を迎えた。最新号は2012年10月4日初版発行のvol.132。
  • MAST(情報メディア創成学類)
    情報メディア創成学類の学類誌。2009年に新たに創刊。
    現存する学類誌としては唯一のフルカラー誌である。

スポーツ[編集]

施設[編集]

キャンパス[編集]

筑波キャンパス[編集]

筑波大学のメインキャンパスである。

詳細は 筑波大学筑波キャンパス を参照

敷地面積が広大なことから日本の大学としては特異なキャンパス交通システムを構築している。期間有効のパスを購入することによって,学内を交通しているバスが一年間乗り降り自由となっている。

詳細は 筑波大学キャンパス交通システム を参照

東京キャンパス[編集]

東京キャンパス文京校舎は、以前は大塚キャンパス(後述の秋葉原地区設置後は東京キャンパス大塚地区)と呼ばれていた。かつての東京教育大学の跡地にあり、その一部は文京区の教育の森公園等になっているが、現在も附属小学校が存置されている。また2011年9月に放送大学との合築による文京校舎(地下1階、地上6階)が整備され、生涯学習のための拠点機能を持ったキャンパスとして位置付けられている。

文京校舎
地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅より徒歩2分。
  • 法科大学院を含む夜間社会人大学院であるビジネス科学研究科をはじめとして、人間総合科学研究科、教育研究科、経営・政策科学研究科などの一部の専攻が利用しており、併せて大塚図書館が置かれている。
  • 筑波大学の東京におけるサテライト機能を担っており、また附属学校を管轄する附属学校教育局が存在している。
  • 放送大学が総工費のおよそ1/4を負担しており、2階を中心に東京文京学習センター(旧:東京第二学習センター)が置かれている。

つくばエクスプレス開業に合わせる形で、秋葉原ダイビル内(14・15階)に秋葉原地区が設置されていたが、文京校舎の整備により廃止された。また文京校舎の工事期間(2010年3月より2011年8月まで)には、一時移転先として文京区小日向の旧文京区立第五中学校や、千代田区神田神保町住友不動産一ツ橋ビルおよび住友神保町ビルの一部を利用していた。

学生宿舎[編集]

筑波大学には以下の4つの宿舎が存在する。定員は約4000人であり、全て筑波キャンパスにある。

開学当初、民間による学生向け下宿の供給が見込めなかったことから、学生の約6割を収容できる規模で計画された。しかし、開学後に大学周辺における学生向け下宿の供給が進んだことを受け、収容する学生の割合を4割台に減少させる計画変更が行われた。

詳細は筑波大学筑波キャンパス#学生宿舎を参照。

  • 一ノ矢宿舎
  • 平砂宿舎
  • 追越宿舎
  • 春日宿舎(旧図書館情報大学学生宿舎)

食堂・店舗等[編集]

筑波キャンパスには講義棟や学生宿舎共用棟、本部棟などに約20箇所の食堂がある。一般的なカフェテリア以外にも、喫茶店そば屋、スープレストランなどもある。2007年12月には旧第3エリア名店街がリニューアルし、フードコート形式となった。2008年3月には中央図書館内でスターバックスコーヒーが営業を開始した。

店舗の数も多く、パン・弁当の出張販売が各エリアで行われているほか書店が6箇所、ATMは常陽銀行は3箇所に、ゆうちょ銀行は2箇所にある。郵便局、画材店、コンビニエンスストア、旅行代理店、大学グッズ専門店、教職員向けの保育所なども存在する。

筑波大学においては、大学が認める生協組織はないため、学内の全ての売店・食堂等は筑波大学厚生会を通し、一般の業者が入居し、営業している。

大学関係者と組織[編集]

大学関係者組織[編集]

  • 明治5年の師範学校設立を開祖とする茗渓会は、その後、様々な学校、大学の統合の下で成立した旧東京教育大学の同窓会となり、今日、筑波大学の同窓会として継承されている。
  • 筑波大学には紫峰会という学生後援組織があり、サークル支援のほか、大学グッズを製作・販売するなどしている。

大学関係者一覧[編集]

社会との関わり[編集]

つくば市北条で、北条米を生かした地域振興に協力している。

放送送信設備[編集]

本大学総合研究B棟には、コミュニティ放送放送局であるつくばコミュニティ放送送信所が置かれている。

放送局名 コールサイン 周波数 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数 開局日
つくばコミュニティ放送
(愛称「ラヂオつくば」)
JOZZ3BO-FM 84.2MHz 10W 10.5W つくば市及び一部周辺地域 3万7910世帯 2008年10月10日
  • 送信所置局住所は、つくば市天王台1丁目1番1号。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 資源管理分野、資源開発分野、資源解析分野がある。[1]

出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

公式サイト[編集]