水色
'''水色'''(みずいろ)は澄んだ水の色を表す、明るく淡い[[青色]]のことである。英語では'''アクア'''(aqua)もしくは'''アクアブルー'''(aqua blue)に該当する。そのほかに'''ウォーターブルー'''(water blue)という名前も存在する。 日本古来の'''水縹'''(みずはなだ)と呼ばれる色も水色と同じような色を表していると考えられる。しかし、これは[[水浅黄]]同様、水の色というよりは水によって薄められた色と考えられる。 == 水の色 == 一切不純物の混じっていない純粋な[[水]]、すなわち[[純水]]や[[蒸留水]]の色は[[無色]][[透明]]である。 よって、'''水色'''は純水の色を表す名前ではない。 水色とは[[池]]や[[沼]]・[[湖]]・[[川]]などで見ることの出来る澄んだ青色に与えられた名前である。 あるいは、[[海]]に見られる深い青色もこれに含まれる場合があろう。 湖や海において水が青く見えるのは、水の[[微粒子]]による[[可視光]]の[[散乱]]([[レイリー散乱]])が主な原因である。 ほかにも、水中の[[藻類]]などの[[微生物]]の色や、水面に[[反射]]する[[空]]の色などが影響を与えている可能性もある。 [[日本語]]の水色は[[平安時代]]から見られる色名であり、古くから「水=青い」というイメージが存在していたこととなる。 現在では一般的に淡い青色のことを水色と呼ぶことがあり、その中には[[空色]]などが含まれることが多い。 空色はとくに水色に近いため、[[色鉛筆]]や[[クレヨン]]のセットでは水色に代表されることが多く、しばしば同一視される。 しかし、本来の定義から言えば、空色のやや[[紫]]側によった青色に対して、水色は若干[[緑]]みを帯びた深みのある青色となる。 英語の'''アクア'''は一般的な水の色を表す名前であるが、[[ウェブカラー]]ではAquaはやや緑みが強く[[彩度]]の高い色合いとして定義されている。 ただし、この場合のAquaは[[シアン (色)|Cyan]]とまったく同じ色である。 そのほかにも英語には水の色に由来する色名が多い。 水の色の緑みをより強調する場合には'''アクアグリーン'''(aqua green)・'''ウォーターグリーン'''(water green)などの色名も用いられる。 ただし、[[アクアマリン]]は[[宝石]]のアクアマリン(緑柱石)の色であり、水とは直接関係ない。 == 水色に関する事項 == * 「水」は「水で薄めた~」といった具合の意味である。 * 水色は寒色の一種であるが、その中にも暖色のような温かさと穏やかさのイメージを与える。よって女性や小さな子供に好まれる傾向がある。 <!--根拠不明 * [[桃色]]の[[桃色#女性的な色|女性的なイメージ]]に固定される事を好まない女性に好まれる事も多い。--> * 白と相性がよく、白地に水色の円を対称的に配したものは水玉模様と呼ばれ、子供用の衣服や下着、寝具などに好まれる。 * [[日本国有鉄道|国鉄]]が制定した色([[国鉄色]])に、[[青22号]]がある。この色を採用する線区は、時刻表で「みず色の電車」と表記される。 * 東京地下鉄東西線のラインカラーである(便宜上、東京地下鉄では[[空色|スカイ]]と呼んでいる)。 * [[ティッシュペーパー]]の[[クリネックス]]にも、この色がアクアという色名で設定されていた。 * フレンチ・ポップス「[[恋はみずいろ|L'Amour Est Bleu]]」は、「恋はみずいろ」と和訳されるが、本来の表現は「恋は青」を意味している。 == 水に由来する色名 == * [[水浅黄]] * [[水縹]] * [[瓶覗]] * [[ファウンテンブルー]] * [[リバーブルー]] * [[ナイルブルー]] * [[ナイルグリーン]] * [[スプレイグリーン]] == 近似色 == * [[空色]] * [[セルリアンブルー]] * [[サックスブルー]] * [[浅縹]] * [[青]] * [[シアン (色)|シアン]] == 水色をシンボルカラーにしている企業、団体等 == * [[四国旅客鉄道]] * [[京浜急行電鉄]](コーポレートカラーとして) * [[ジュビロ磐田]] * [[川崎フロンターレ]] == 参考文献 == * 近江源太郎・監修 『色々な色』 光琳社出版 1996年 ISBN 4-7713-0232-4 * 清野恒介・島森功 『色名事典』 [[新紀元社]]、2005年7月。ISBN 4-7753-0384-8。 * 永田泰弘・監修 『新版 色の手帖』 [[小学館]] 2002年 ISBN 4-09-504002-5 * 福田邦夫・著 『色の名前はどこからきたか』 青娥書房 1999年 ISBN 4-7906-0180-3 * 福田邦夫・著 『色の名前507』主婦の友社 2006年 ISBN 4-07-248540-3 * 藤井健三・監修 『京の色事典330』 [[平凡社]] 2004年 ISBN 4-582-63412-5 == 関連項目 == {{色名}} * [[色]] * [[色名一覧]] * [[日本の色の一覧]] * [[青22号]] * [http://www.colordic.org/ WEB色見本 原色大辞典] * [http://www.color-sample.com/ 色サンプル(色見本と配色)] * [http://www.color-guide.com/index.shtml 色見本の館] {{DEFAULTSORT:みすいろ}} {{Wikipedia/Ja}} [[Category:色名]]