47RONIN

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47RONIN』(フォーティーセブン・ローニン、原題:47 Ronin)は、2013年公開のアメリカ合衆国ファンタジーアドベンチャー映画である。忠臣蔵をモチーフとし、四十七士キアヌ・リーブス演じる架空の人物であるカイが参加する等の独自の要素が加えられたオリジナルストーリーとなっている。

あらすじ

大石内蔵助を筆頭とするの集団に守られた、豊かな土地を持つ赤穂の国。その領内には頭部に天狗につけられた傷を持つという異邦人「カイ」が暮らしていた。カイは少年のときに、領内で行き倒れていたところを赤穂の城主である浅野内匠頭に救い出され、また浅野の娘であるミカに世話を受けたことに恩義を感じ常々親子の力になりたいと思っていたが、その日本人離れした容姿から侍となることは叶わず、侍たちからは獣以下の粗末な扱いを受け続ける。

時の将軍である綱吉が赤穂の国を訪れることとなり、浅野と家来の侍たちは家の名誉にかけて将軍を迎えるべく準備を進める。一方、赤穂の隣国を領地に持つ吉良は、豊かな赤穂を自分の領地とする機会を伺う。吉良は妖術を使う側室のミヅキの力を使い、浅野を術で錯乱させて吉良へ切りかからせる。将軍の裁きによって浅野を切腹に追い込み、ミカを浅野の喪が明ける1年後に正室として迎え、赤穂を併呑する手筈を整える。吉良によって大石は地下牢に軟禁され、侍たちは浪人に身をやつし、カイは奴隷として出島に売りとばされる。

1年後、大石は地下牢から解放され、ミカの婚姻まで残り1週間しかないこと、カイが奴隷として売り払われたこと、侍たちは赤穂から追放されたこと等を息子の主税から聞く。ミカを救い主君の仇である吉良を討つべく、主税には散り散りになった浪人を集めさせる。自身は出島で剣闘士まがいのことをさせられているカイを救い出し、仇討ちへの協力を取り付ける。

浪人たちは一堂に会し、仇討ちを誓い合う。疎まれていたカイも仲間として認められる。

カイは浪人たちとともに天狗の里へ訪れる。カイは天狗に拾われ、剣術や妖術、この世の理などを教わったという。カイは育ての親である天狗に刀を譲るよう依頼する。天狗はカイの力を試し、決心の強さを確認すると、カイたちに刀を授ける。

登場人物

※日本語吹き替えの記載が無い場合は同一人物が吹き替えをしている。

カイ
演 - キアヌ・リーブス、日本語吹き替え - 森川智之
四十七士に加わるはぐれ者。架空の人物で、イギリス人と日本人のハーフであり、生まれた直後に天狗のいる山に捨てられた。
その際に天狗により拾われ、下界と隔絶された状況で様々な秘術と剣術を教え込まれるが外の世界に戻るため脱走。赤穂に落ち延び浅野に拾われた。そのため、積極的に使うことは少ないものの高速で移動する天狗の秘術を使うことができたり、キツネに化けたミヅキの正体を見破ることができる
吉良の策略で浅野が切腹した際に捕らえられ出島のオランダ人に奴隷として売られてしまう。
天狗から教わった剣術は大石たちに勝るとも劣らず、出島で大石と斬り合いをした際には互角の実力を見せた。
自分を除け者として扱い続けてきた侍には懐疑的だが、世話を受けたミカを救い出すために大石に協力し、自らの故郷とも言える天狗のいる山にて天狗と交渉することで浪人たちの使う刀剣を調達し討ち入りの準備を整える。
討ち入り直前の血判状への署名には「魁」の字が当てられている。
大石内蔵助
演 - 真田広之
四十七士の指導者であり赤穂の侍の筆頭。
行き倒れていたカイを最初に見つけた人物でもあるが、天狗に付けられた傷を持つカイの存在を不吉に思い冷遇し続けてきた。
吉良の陰謀で浅野が切腹、赤穂の併呑が決まった際に吉良から存在を危険視され地下牢に軟禁される。ミカの祝言直前に地下牢から出されたのち、ミカを救い吉良を討つため仇討ち後の打ち首(浅野切腹の際に吉良への仇討ちを将軍綱吉から禁じられていた)を覚悟でカイを出島から救い出し追放された赤穂の浪人を集め討ち入りの準備を整える。
吉良の首級を挙げ仇討ちを浅野の墓前に報告したのち将軍の裁きを受け、本来ならば打ち首獄門のところを忠義に免じて名誉の切腹および主君と同じ墓に埋葬されることを許可され、カイを含めた四十六士(主税を除く)と共に切腹し果てる。
ミカ
演 - 柴咲コウ
浅野家の姫でカイの恋人。架空の人物。
赤穂併呑を狙う吉良の策略により半ば強引に吉良との祝言を迫られるが、父である浅野の喪に服すことを理由に1年の猶予を与えられる。
吉良
演 - 浅野忠信
赤穂の隣国・長門の主君であり、浪士たちの主君の仇。
妖術を使うミヅキを側室に置き、赤穂を併呑すべく猛獣を放つなど様々な策略を巡らせていた。
将軍綱吉が赤穂を訪れていた際に浅野を妖術にかけ吉良へ切りかからせることで浅野を切腹に追い込んだ。
ミカとの祝言により赤穂を完全に自分の領地とすべく、それを邪魔するであろう大石たち浪人やカイの抹殺をミヅキに命じる。
ミヅキ
演 - 菊地凛子
吉良家に仕える側室。架空の人物。
様々な妖術を使いこなす美女で、自身を狐や龍の姿に変えることもできる。
吉良に赤穂を併呑させ、ゆくゆくは日本を手中に収めさせるべく暗躍し浅野を切腹へと追い込んだ。
大石主税
演 - 赤西仁
父である大石内蔵助と違いカイに友好的なカイの親友。
浅野切腹後、地下牢に軟禁された内蔵助が戻ってきた際には散り散りになった浪人に集合をかけ、その後も父に従い討ち入りの準備を整えた。
若年ながら、見張りに立つ兵士を咄嗟に弓で射ることができるなど武芸は父譲り。
討ち入りに参加し一端は切腹を申し付けられるが、主君のために仇討ちを為す忠義の血が絶えることを憂えた将軍の配慮により生涯赤穂に尽くすことを命ぜられ四十七士の中で唯一生き残る。
浅野内匠頭
演 - 田中泯
播州国、赤穂藩の藩主。
大石を始めとした侍を束ねており、行き倒れていたカイを殺そうとした大石を止めた。とはいえミカや主税ほどカイに友好的だったわけではなく、領内の山中で暮らすことを許しはしたが、ある程度の距離は置いていたようである。
将軍綱吉を迎える前に猛獣を仕留め準備万端と将軍を接待するが、赤穂の併呑を伺っていた吉良の策略で切腹に追い込まれた。
将軍綱吉
演 - ケイリー=ヒロユキ・タガワ、日本語吹き替え - 菅生隆之
徳川の将軍にして日本の支配者。
赤穂に来訪した際に起こった刀傷事件を受け浅野に切腹を申し付け、ミカに対しては吉良との婚姻を決め赤穂領を吉良家の預かりとする。
護衛人
演 - 梶岡潤一
吉良家に仕える門番。
ハラ
演 - 山田浩
ヤスノ
演 - 羽田昌義
リク
演 - 國元なつき
主税の母。
ハザマ
演 - 曽我部洋士
芭蕉
演 - 米本学仁
カピタン
演 - ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン、日本語吹き替え - 志村知幸
出島を根城にしている南蛮人。吉良からカイを奴隷として買い、見世物として殺し合いをさせていた。
磯貝
演 - 出合正幸
堀部
演 - 中嶋しゅう
天狗の首領
演 - 伊川東吾、日本語吹き替え - 大木民夫
赤子の時に捨てられていたカイを拾い天狗の秘術や剣術を教え込んだ人物。天狗とは呼ばれるが鼻は無いどころか削がれているかのようで、どちらかと言えば烏天狗のような風体をしている。
仇討ちのために必要な大量の刀剣を求め戻ってきたカイの前に現れる。
その容姿からか天狗の一族は人間に迫害を受けていたようで、仇討ちをする人間を手助けするため戻ったというカイが理解できず、力づくで刀剣を奪えとカイを挑発したが天狗の秘術を使い高速で刀剣を奪ったカイの姿に自分の教えが生きていたと喜び大量の刀剣を提供した。
鎧武者
演 - 不明、日本語吹き替え - なし
御前試合に吉良家代表として出場した全身を鎧に包んだ巨漢の侍。掛け声はおろか一言の言葉も発せず異様な雰囲気を放っている。その体格に似合う大太刀振るい、カイを散々に打ちのめした。
本来の仕事は吉良の護衛であるようで、吉良が外に出る際は必ず侍っており四十七士の討ち入りの際にも吉良を逃がすべく立ちはだかり、御前試合での強さを見知っていた浪人達の戦意を喪失させるが、火薬庫に仕掛けられた爆弾により起こった爆風に巻き込まれ鎧がバラバラになり炎に飲み込まれた。

製作

カール・リンシュ (Carl Erik Rinsch) が監督し、クリス・モーガンホセイン・アミニが脚本を執筆する。2008年12月、ユニバーサル・ピクチャーズは主演の本プロジェクトを発表し、キアヌ・リーブスが主演することを伝えた。『バラエティ』誌によると、「『ロード・オブ・ザ・リング』のファンタジー要素に『グラディエーター』の戦闘シーンが合わさったストーリーになる」という。2009年11月、ユニバーサルは、カール・リンシュを監督にするための話し合いに入った。リンシュは本作が長編映画デビューとなる。

2010年12月、スタジオは本作が3Dで製作、公開されると発表した。2011年2月28日、リーブスに加え、4名の日本人俳優(真田広之浅野忠信菊地凛子柴咲コウ)の出演が発表された。リンシュには長編映画の経験が無いにもかかわらず、ユニバーサルが1億7000万ドルもの製作費を出すことに対し、『ハリウッド・レポーター』誌は「大規模で、まったくもって危険な」行動であると考察した。撮影は2011年3月14日にブダペストで始まった。この他、イギリスのシェパートン撮影所や日本でも撮影が計画されている。

アクション描写にはVFXが大規模に用いられており、フレームストアムービング・ピクチャー・カンパニーデジタル・ドメイン、Baseblack、The Mill、The Third Floor、Halon Entertainment、Stereo D、Soho VFX等のプロダクションがVFX制作に関わった。

封切り

当初2012年11月21日に北米公開が予定されていたが(日本では東宝東和の配給で2012年12月に公開される予定であった)、2013年2月8日に延期することを発表。その後、2013年のクリスマス時期まで公開延期となった。延期の理由としては、追加撮影の必要、ロンドンオリンピックの影響で、同所で行われているVFX作業の遅れが主な原因となっていると報じられた。

本作は舞台となった日本にて世界で最も早く封切られ、2013年12月6日に3D・2Dを合わせた753スクリーンで公開された。公開初週の全国映画動員ランキング(興行通信社調べ)では6位、土日2日間で動員7万7,894人、興収1億524万8,200円を記録した。

『47RONIN』空前の大コケ「この公開規模でここまでコケた映画はちょっと記憶にない。前代未聞の事態」

「この公開規模で、ここまでコケた映画は、ちょっと記憶にないですよ。前代未聞の事態なんじゃないですか……」(映画ライター)

2013年12月6日に公開された映画『47RONIN』の初週2日間の興行収入が明らかになり、業界を騒然とさせている。興行通信社の発表によると、同作の興行収入は1億524万8,200円。動員は7万7,894人で、この週の6位にランクされている。数字だけ見れば、そこまで悪いとは言えなそうだが、この作品の公開規模は全国333館、753スクリーンという超特大規模。単純計算すると、1スクリーン当たりの観客数が2日で100人、1日に4回の上映としても、1回の上映当たり12人程度ということになる。

その数字を裏付けるように、ネット上の掲示板やTwitterなどには、入場者からの「ヤバすぎる」「空席祭り発生中!」などといった報告が多数書き込まれ、自分たち以外に客が1人もいない“貸し切り状態”の客席を写した写真なども投稿された。

「この映画は、忠臣蔵をモチーフにした時代劇で、天狗や妖術使いが大活躍するファンタジー。キアヌ・リーブスが架空の人物“カイ”を演じています。よく分からないでしょう? こうして説明していても、自分がどんな映画の話をしているのか、よく分かりませんよ」(同)

この作品には、日本からも真田広之、菊地凛子、浅野忠信、柴咲コウ、元KAT-TUNの赤西仁など豪華キャストが参加しており、公開前にはキアヌや浅野忠信らがバラエティ番組に出演するなど、力の入った宣伝を繰り広げていたが……。

「このプロモーションの足を引っ張ったのが、元KAT-TUN赤西仁の存在でした。ジャニーズは相変わらずWEBメディアへの露出を制限していますから、赤西が参加した記者発表でも、紙媒体やテレビ媒体の撮影時間とは別に、赤西を退場させてWEBメディア用に時間を設けるチグハグぶり。主演のキアヌは、意味も分からずキョロキョロしていましたよ」(会見に参加した記者)

このまま不入りが続けば、公開打ち切りは時間の問題。最終的な興収は「おそらく5億に届かない」と予想され、200億円以上とも伝えられる製作費の回収は絶望的だ。

外部リンク