コボちゃん
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『コボちゃん』は、植田まさしによる日本の4コマ漫画作品。また原作を扱ったアニメ作品。
概要
読売新聞(朝刊)で秋竜山の『あっぱれサン』(連載期間:1980年1月1日 - 1982年3月29日)の後継作品。『フリテンくん』や『かりあげクン』で4コマブームの火付け役となった植田まさしの初の新聞掲載漫画作品として、1982年4月1日から連載が開始された。2007年4月1日に連載25周年を迎えた。2004年12月1日から、日本の全国紙の4コマ漫画としては初めてカラー化された。読売新聞中部支社版はモノクロ掲載のままであったが、2008年3月31日から愛知県清須市に建設された新工場が稼動したことにより、ようやくカラー掲載になった。なお、読売新聞衛星版は未だモノクロ掲載である。また、一部地域は、輪転機の関係上、稀にモノクロで掲載される回もある。実質的に全国紙の4コマ漫画で初めてカラー化されたのは、朝日新聞朝刊に連載されていた『フジ三太郎』(サトウサンペイ作)の最終回(1991年9月30日付に掲載)であった。なお、コミックスでは依然としてモノクロのままである。2010年6月14日に連載1万回を達成した。なお、読売新聞での4コマ漫画の長期連載は鈴木義司の『サンワリ君』(夕刊連載)の1万1240回に続く記録となった。
蒼鷹社から単行本が第60巻まで発売されており、現在は芳文社が単行本の新規発行を承継し、第20巻まで発行されている(蒼鷹社版は現在Yahoo!ブックスでネット配信されている他、不定期でコンビニコミック版も刊行されている)。アメリカでも『Kobo,the li'l Rascal』というタイトルで翻訳出版され、人気を博した。その際、一部のコマが反転されている。
サザエさん方式で物語が進められているため、原則として登場人物は年を取らないが、結婚や新たな登場人物の登場が描かれたりする他、2010年は実穂の誕生を境に登場人物が年を取るなどの変更が行われた。また、2011年4月6日掲載分よりコボの設定が幼稚園児から小学生に変更された(2010年12月12日掲載文でその件がある)。
1992年から1994年まで、讀賣テレビ放送・日本テレビ放送網系でアニメ化(制作:エイケン)もされた(全63回)。
現在、植田の作品の中で唯一、セリフに振り仮名がついている(初期には振られていなかった)。セリフでの登場人物の氏名表記にはカタカナが多く用いられる。
2010年4月16日に、原作を扱った絵本が発売された(芳文社刊)。詳細は後述。
登場人物
田畑家周辺
- 田畑小穂(たばた こぼ)
- 声優:大谷育江
- この漫画の主人公。みどり小学校1年生。耕二と早苗の息子で際立った刈り上げ頭と何かを被せたようなヘアースタイルがトレードマーク。ごく平凡な子供であるが、時々子供とは思えないようなませた言動、考え、行動をすることがある。明るく元気な性格で、チャンバラごっこ、西部劇ごっこなどをよくやる。将来は耕二と同じ会社に勤めるつもりでいる。頭頂部の2本の毛を切られた際に、さくらんぼの枝を代用したことがある。連載開始から長らくたんぽぽ幼稚園に通う5歳の幼稚園児という設定だったが、実穂の誕生と成長に合わせてコボも成長しており、小学校3年生程度まで加齢していく事が作者から明かされている。2011年4月6日掲載分でみどり小学校に入学した。
- 名前の由来は、作者自身が子供の頃に呼ばれていた「こぼちゃん」(末っ子・小さい子供という意味)より。
- 田畑実穂(たばた みほ)
- 連載1万回を迎えた2010年6月14日掲載分に誕生した小穂の妹で耕二と早苗の娘。0歳。同年4月27日付の読売新聞朝刊および同社ホームページで名前の募集が行われ、結果応募第2位だった実穂(みほ、同音異字含む)に決まり誕生翌々日の6月16日掲載分で発表された。作者によると「おませになる3歳ぐらいまでは成長させたい」とのことであり、これに伴い他の登場人物も同様に年齢を動かすとのこと。
- 田畑早苗(たばた さなえ)
- 声優:松井菜桜子
- コボの母親で、専業主婦。パートなどはしていない様子。コボに数や言葉の勉強をことあるごとに実施している教育ママ。子供を甘やかさず、しつけも厳しくしている一方で、自身は両親と同居しているせいか、独身気分が抜けていないところがある。家事全般をこなすが、おっちょこちょいなところもあり、失敗をしては子供っぽい方法でごまかそうとする。料理はうまいが、しょっちゅう鍋や魚を焦がす。夫や息子の嘘には極めて敏感。デパートなどにお出掛けしたり、お菓子を隠そうとする時のコボとのやりとりはこの作品の定番のネタ。29歳。2009年10月14日付の読売新聞朝刊にて、第2子の妊娠を告白。そして2010年6月14日掲載分にて女児を出産した。早苗の妊娠ネタは後日、朝日新聞の「青鉛筆」でも取り上げられた。
- 田畑耕二(たばた こうじ)
- 声優:二又一成
- コボの父親で、サラリーマン。会社では係長(23巻で昇進)。岩夫の一世代下の父親像として、威厳も性格も少々軽めに設定されている。一家で早苗の両親と同居しているため、入り婿ではないが、少々肩身が狭い。平日は毎晩のように泥酔して帰ることが多く、休日もゴルフや競馬をやることが多い。それ以外にもパチンコやスキーが趣味。最近では「熱狂的サッカーファン」という設定が定着し、特に日本代表の動向には一喜一憂する。車を持っていないことがよくネタになる。出身は秋田県の県南地域らしく(秋田県六郷町(現:美郷町)にそれらしきキャラクターが描かれた来訪歓迎の看板が立っている)、アニメ版でもコボを連れて一度里帰りをしていた。雨男。33歳。
- 山川岩夫(やまかわ いわお)
- 声優:宮内幸平(1998年の特番では稲垣隆史)
- 早苗の父親であり、小穂の祖父。つまりミネの夫。竹男の伯父。職はなく年金暮らしの様子だが、背広姿な時が多い。趣味は囲碁や釣り、盆栽と多彩で、そのため遊び友達、茶飲み友達も多い。かなりの孫煩悩で、老人らしからぬ奇抜な行動を取ることもある。性格は頑固で、家事はほとんど手伝わず、一度座ってしまうと動こうとしない古いタイプの男性。亭主関白的・女性差別的な行動・言動もしょっちゅうだが、ミネ・早苗の2人に逆襲されて負けることもしばしば。連載当初は普段着が和服であることが多かったが、作者が時代錯誤と考えたためか、1980年代後半くらいから洋服しか着用しなくなっている。言葉使いや性格も変化しており、時代の移り変わりを最も反映しているキャラクターといえる。60歳。出身はテレビアニメ版では香川となっているが、原作では東京育ちであることをほのめかしている回がある。また、小穂や遊びに来た小穂の友達と一緒に遊んでくれたりするという、いわゆる子供が好きだということである。小穂から口臭を指摘された後、練習の末に口を閉じたまま鼻でしゃべるという特技を身に付けた。
- 山川ミネ(やまかわ ミネ)
- 声優:上村典子
- 早苗の母親であり、小穂の祖母。つまり岩夫の妻。専業主婦のベテラン。コボファミリーで唯一の眼鏡(老眼鏡らしい)愛用者。家事に追われる日々のため、無趣味で地味な性格だが、たまに突拍子もないものに挑戦しては周囲を驚かせている。夫に対する不満は多く、しょっちゅう喧嘩をしているが、仲が悪いわけではない。カエルやネズミ、ゴキブリなどが苦手で、現れた際は奇声を上げたり、無意識に竹馬に乗れたこともある。最近では、「花粉症」という設定が定着している。ただし、以前、花粉症(と猫アレルギー)を患う友人が来訪した時、ミネには花粉症の症状は出ていなかった(なお、2000年のスギ花粉飛散期頃には花粉症になっていた)。52歳。
- 大森竹男(おおもり たけお)
- 声優:茶風林
- 単行本第12巻(1986年1月17日付の読売新聞朝刊)から登場。早苗のいとこで、岩夫の妹の息子。作中で紹介される時は「岩夫の甥」と言われる。四国出身。食欲旺盛な巨体の持ち主。趣味は登山、特技は柔道(3段)。学生時代はラグビーにも打ち込み、今でもクラブチームの試合に狩り出されることがある。中学校で社会科の教諭をしており、生徒の間で人気は高いが、隙が多いためにいたずらの的となっている。
- 体格に似合わず小心者だが、正義感は強く、強盗を捕まえたり人命救助をしたりと数々の武勇伝を持っている。2005年1月30日付の読売新聞朝刊にて花田咲子にプロポーズし、受け入れられてめでたく結婚。現在は咲子と花田家に住んでいる。コボファミリーと同居(居候)していたときは、よくサイフォンでコーヒーを沸かして飲んでいた。26歳。
- なお、この結婚話は連載8000回を迎えた日に読売新聞が植田に対してインタビューを行った際、植田はそれとなく読者に予告していた。
- 大森咲子(おおもり さきこ)
- 声優:伊倉一恵
- 竹男の妻で、体育教師。旧姓:花田。竹男とは同僚だったが、結婚のため職場を田畑家の近くに変えた。竹男とはわりと前から両想いに近い関係だった。
- ポチ
- 田畑家の飼い犬。雑種のオス。小穂より年上(6歳)で、体も大きく力も強いため、小穂にペット扱いされることを極端に嫌がる(お手・お座りなどを拒否する)が、小穂と2人で散歩することが多い。しかしながら岩夫に一番懐いている模様。予防接種が苦手。犬なので当然人語は話せないが、ミー等、動物同士の場合は普通に会話している。
- ミー
- 田畑家の飼い猫。メス。ポチと同じく6歳。一家のしぐさをよく観察している。メスなので、女らしい話し方をすることが多い。ミネに一番懐いている。オス猫にもてるらしい。ネズミを捕まえた時は一家を震え上がらせている。時々、塀の上からポチと会話をすることがある。近所では別な名前で呼ばれることもあり、合計7種類の名前があることが判明した。
- 2008年6月13日付の読売新聞朝刊では、名前が「ミーコ」になっていた(誤植、もしくは「ミーコ」の愛称で「ミー」と呼ばれていたとも推測される)。
- チビ
- 小穂が拾ってきた子犬。小穂が1週間ほど世話をしていたが、ポチやミーとうまく行かず、再度捨てた。後に竹男の学校の生徒に引き取られた。『コボちゃんスペシャル夢がいっぱい!!』で登場。
- ピョンスケ(助)
- 田畑家の庭に棲みついている大きなカエル。カエル嫌いのミネなどは見ると悲鳴を上げるが、小穂は名前まで付けてペット扱いしている。時々のっそり出てくる。ポチと会話することも。