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2014年9月6日 (土) 22:34時点における版
渡邉 美樹(わたなべ みき、男性、1959年10月5日 - )は、神奈川県横浜市出身の政治家、実業家。自由民主党所属の参議院議員(1期)。
日本を代表するブラック企業、ワタミ株式会社取締役会長。学校法人郁文館夢学園理事長、岸和田盈進会病院理事長。
ワタミ株式会社の創業者で、過去に同社代表取締役の他、教育再生会議(安倍内閣)委員、神奈川県教育委員会教育委員を務めた。
目次
経歴
少年時代は野球に熱中していた。10歳で母と死別、父が営んでいた広告事業も行き詰まった。その頃、将来は経営者になることを決意する。
神奈川県立希望ヶ丘高等学校に進学。高校時代は図書館にこもって本ばかり読んでいたが、進路指導の教員から、経営者を目指すのなら大学で勉強して、様々な人生経験を積んでからでも遅くはないとアドバイスを受け、明治大学商学部に進学。大学在学中、大規模なイベントを多数企画し、実施している。大学卒業間際の1982年2月に北半球を放浪し、放浪後にレストラン経営の道を歩むこととなった。
大学卒業後は佐川急便(当時の東京支社管内)でセールスドライバーとして1年間勤務。起業のため、1年間で300万円を稼いだ。同社の先輩に、アダルトビデオメーカーソフト・オン・デマンドの元社長・高橋がなりがいる。セールスドライバーとして過酷な仕事をしている時、祖母に家事などで助けられたことが後にワタミが介護事業に参入する動機に繋がったという。1984年、有限会社渡美商事を設立。経営不振のつぼ八の店舗を買い取る形で、フランチャイズ店オーナーとなる。1987年に社名をワタミフードサービスと改称し、独立。1996年に株式店頭登録、1998年に株式上場を果たした。2002年には、ワタミは全300店舗を超える規模となった。
また、2002年以降、外食以外の産業にも進出しており、2002年に農業、2005年に介護、2008年に高齢者向けの弁当宅配事業にそれぞれ参入している。 「地球上で一番たくさんのありがとうを集めるグループになろう」という理念のもと、人が差別化となる労働集約型事業を展開し、独自の6次産業モデルを構築した。2009年、ワタミ社長を退任し、同社会長に就任した。
2011年2月15日、ワタミの代表取締役会長を辞任し、非常勤の取締役最高顧問となった(後に、非常勤取締役会長になる)。
2011年4月、無所属で東京都知事選挙に出馬したが、落選。同年6月、岩手県陸前高田市の参与に就任した。
2011年12月28日、同月20日に大阪維新の会の松井一郎知事及び橋下徹市長の要請を受け、大阪府及び大阪市の特別顧問に就任することが松井知事により発表された。
2013年1月31日、ムハマド・ユヌス氏の提唱する「ユヌス・ソーシャル・ビジネス」を支援する一般社団法人ソーシャルビジネス・ドリームパートナーズを設立。
2013年5月末、自由民主党の参院選比例区の公認候補であることが報じられる。6月27日、立候補に際しワタミの会長職を含む役職をすべて辞任。7月の第23回参議院議員通常選挙に自由民主党公認で出馬し、104,176票を獲得し参議院議員に当選した。なお、田沼正彦により選挙公示前の選挙運動をtwitterにて暴露されている。
人物
NPO活動
特定非営利活動法人みんなの夢をかなえる会の理事長を務め、「夢溢れ、ありがとうが飛び交う社会の実現」を目的に、2010年4月より講演活動として「みんなの夢シンポジウム」を仙台から沖縄まで、日本各地で開催した。また、2010年12月には、若者の夢を支援する「みんなの夢アワード2010」を東京の日比谷公会堂にて開催した。
教育における主張・活動
- 大学入試廃止論者。「現在の高校生は受験を至上目標としている。大学入試は不要な競争を煽っており、子供が夢を持つことができない。好きな大学に全員が入れるようにする必要がある。」と主張している。大学入試偏重ではなく、その後の仕事に役立つ人材育成が重要として、「夢教育」を提唱し、自身が理事を勤める学校も郁文館夢学園と名づけている。
- 教育再生会議では現在の公立学校の常勤教員を大幅に削減し、「半分」(コマ数の半分なのか教員数の半分なのかは曖昧)を非常勤講師でまかなえば教育の質が向上すると主張。
- 30億円という巨額の負債を抱える郁文館学園に1億円を投じ、同校の理事長に就任。金融機関に金利の減免を交渉するなど、同校の経営改革に取り組み、赤字経営からの脱却に成功した。
- 金銭管理に不備があったとして解雇された50歳の郁文館夢学園の元教師が、同校に対して地位保全と慰謝料を求めて訴訟を起こした。この際の陳述書などで、渡邉が同校の40代男性教師の髪型が気に入らないとして「断髪式」を行ったと指摘している。校長は「理事長と当該教師との間では合意ができていた」としているが、解雇された元教師はパワハラだったとしている。
- 2006年、安倍晋三首相の意向で設置された教育再生会議の委員に起用された。
2011年東京都知事選挙への立候補
2011年2月、同年4月の東京都知事選挙に無所属で出馬する意向を表明。出馬の動機について、ワタミの運営により培ってきた経営能力を、企業を超えた枠組みで生かしたい考えを明らかにした。高齢者が安心して年を取れる社会の実現や、高校生の10人に1人を1年間留学させる教育改革の構想を掲げ、都議会民主党の支援を受けたが生活者ネットからの支援は積極的に受けられず、4選をめざす石原慎太郎知事、前宮崎県知事の東国原英夫の後塵を拝し、3位で落選した。
信仰
クリスチャンであると言われることが多いが、そのような事実はない。ただし、聖書を人生に影響を与えた本として挙げており、事あるごとに目を通しているという。
その他
和民女性社員過労死問題
2008年に居酒屋「和民」で働いていた女性従業員が入社2ヶ月後に自殺。和民はこの従業員に対し、7日間連続の深夜勤務を含む長時間労働に加え、月140時間に及ぶ時間外労働を強いていた。この事実を踏まえ、神奈川労災補償保険審査官は2012年2月に女性の死亡に労災適用を認定した。
和民を運営するワタミフードサービスの創業者であり、取締役会長の渡邉はこの労災認定の報を受け、自身のTwitterアカウント上で「彼女の精神的、肉体的負担を仲間皆で減らそうとしていました。労務管理できていなかったとの認識は、ありません。」との見解を示した。
上記の発言に加え、「ワタミは天地神妙(※天地神明の誤り)に誓ってブラック企業ではありません」「バングラデシュで学校をつくります。そのことは、亡くなった彼女も期待してくれていると信じています。」などのTwitter上での発言や後述するTV番組などのマスメディア出演時の発言を引用する形で、多くのメディアや個人などから「謝罪の言葉が無い」「責任逃れ」「従業員に対する考え方」などの点から渡辺個人への批判が集まった。
なお、この判決の一ヶ月ほど前の2012年1月20日、渡邉は自身のブログにおいて、「自殺者ゼロの社会」を目指すと都知事選でも訴えたと語っている。
ワタミ経営者が過労自殺遺族との話し合い拒否の回答(2012年9月)
大手居酒屋チェーン「和民」で正社員として働いていた森美菜さん(当時26歳)が入社2カ月後に過労によって自殺した問題で、遺族である両親の森豪さんと森祐子さんが、支援する全国一般東京東部労働組合とともに9月20日にワタミ本社を直接訪れて、ワタミ株式会社の渡辺美樹会長ら経営者に対し当事者同士での話し合いを申し入れたが(回答期限10月1日)、ワタミ側からは代理人の弁護士を通じて拒否する旨の回答があった。
ワタミの代理人弁護士(所属事務所・三好総合法律事務所)からの回答の書面は9月26日付で、森夫妻ににあてて内容証明郵便で届いた。
「今後も当職らが代理人として損害賠償等に関するお話合いをさせて頂きたいと考えております」としたうえで、「申し入れ書記載の貴殿らと依頼会社直接ののお話合いについては、応じかねます」と記されていた。
遺族が求めているのは、9月20日の申入書にあるとおり、なぜ入社2カ月で娘が死に追いやられたのかという原因解明を、労働実態を知らない代理人弁護士ではなく、あくまで責任ある経営者と直接話し合って再発防止を図ることであった。今回のワタミ側の回答は遺族の願いを真っ向から踏みにじるもので、過労自殺を出した企業の姿勢として到底許されるものではない。
なぜ入社して2カ月の社員が死に至ったのかを明らかにする義務があるのではないだろうか。
今後も遺族と東部労組は経営者との話し合いをワタミ側に求めていきます。皆さんのご協力をよろしくお願いします。
http://www.labornetjp.org/news/2012/1349075584296staff01
渡邉美樹「お金のために仕事をする。冗談じゃない。仕事は生きることそのもの」
ありがとうを求める。渡邉氏が講演
会員制の講演会組織「琉球フォーラム」(主宰・富田詢一琉球新報社長)6月例会が2012年6月13日、那覇市のホテルロイヤルオリオンであり、ワタミグループ創業者の渡邉美樹氏が「夢をカタチに~新たなる挑戦」と題し講演した。
外食、介護、宅配事業、農業などさまざまな分野での経営経験を紹介し、
「お金のために仕事をする。冗談じゃない。仕事は生きることそのもの」
と強調した。渡邉氏は
「居酒屋でも店はきれいにし、サービスを充実させる。介護でも温かい食事を提供し、毎日入浴してもらう」と話し、
「きれい事に聞こえるかもしれないが、利益を求めず、ただお客さまのありがとうを求めたら、お金の上にありがとうを載せたお客さまが集まってくれた」と語った。
東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市の参与を務めている渡邉氏。
- 市の特産物をいかに国内外に売っていくか
- 観光客誘致のため目玉商品を持つ
- 企業を誘致して雇用を生む―
の3点を同市復興の柱に掲げた。さらに同グループに「沖縄が好きで、沖縄に店を出したい」という従業員が多くいることを紹介し、沖縄のブランド力を称賛。台湾や東南アジアに近い立地的優位性にも触れ、沖縄の持つ可能性に言及した。「陸前高田を日本(経済)のモデルにしたいと考えているが、沖縄こそが日本のモデルになってほしい」と力を込めた。
ワタミ社内文書流出!「365日24時間死ぬまで働け」(2013年6月)
自民党公認で参院選に出馬する予定の渡辺美樹・ワタミ会長が、「365日24時間死ぬまで働け」、「出来ないと言わない」などと社員に呼びかけていることが週刊文春が入手したワタミの社内冊子からわかった。
『理念集』と名付けられた冊子は、ワタミグループ全社員に配布され、渡辺氏が著書で「ワタミの仕事すべてに直結し、根底で支えている思想の原点」、「この理念集を否定したときは、君たちにこの会社を去ってもらう」としている重要文書だ。
また、入社内定者に配布される人材開発部作成の『質疑応答』では、勤務時間について、『「仕事は、成し遂げるもの」と思うならば、「勤務時間そのもの」に捉われることなく仕事をします。なぜなら、「成し遂げる」ことが「仕事の終わり」であり「所定時間働く」ことが「仕事の終わり」ではないから』と記載されている。
ワタミでは2008年に入社3カ月の女性社員が1カ月141時間の時間外労働で抑うつ症状となり、飛び降り自殺。昨年2月に、過労による自殺として労災認定されている。
また、自殺の翌年から昨年にかけて、時間外労働の上限時間を超えて従業員を働かせていたとして、労働基準監督署から10件の是正勧告を受けていることも明らかになっている。
ワタミと渡辺氏の事務所に確認を求めたところ、渡辺氏の事務所が次のように回答した。
「渡辺が29年前に和民を創業して毎日社員のことを思いながら書いたものが、なぜ出てしまうのか、残念でなりません。本件に限らず、個別の社内規定や、社内発言、社内活動に対しては個別企業情報となるため、基本的にお応えは差し控えさせて頂いております」
ワタミには、「ブラック企業」との批判があり、渡辺氏は公式サイトで「一部の情報だけをもって、一方的にワタミグループをブラック企業と呼ぶことは、到底、受け入れられるものではありません」と反論している。
今回、複数の社内文書の存在が新たに明らかになったことで、ワタミ・ブラック企業論争は新たな展開を迎えそうだ。
発言
- 2009年1月11日に出演したテレビ番組「TheサンデーNEXT」において、派遣切りにあった若者たちに対し「人のせいにしちゃ駄目。被害者意識が強い」「何故貯金持ってないの、おかしいでしょう」「今まで税金払わないで何考えて生きて来たのか!?」「マスコミは(若者に)過保護すぎる」と発言した。
- 渡辺は、自社ビルの高層階での会議で部下を叱責する際、「ビルの8階とか9階から、『今すぐここから飛び降りろ!』と平気でよく言う」「どれだけきつく叱っても大丈夫かというのが信頼関係のバロメーター」という趣旨の発言を雑誌「プレジデント」でのインタビューで述べた。そして、部下を暴行するなどし退職に追い込んだエピソードを美談の一部として紹介している。インタビュー内容はロイター通信社のウェブサイトにも掲載された。
- テレビ東京の番組『日経スペシャル カンブリア宮殿』にて近年の若者の態度を批判して「よく『それは無理です』って最近の若い人達はいいますけど、例え無理な事だろうと鼻血を出そうがブッ倒れようが無理矢理にでも1週間やらせれば、それは無理じゃなくなるんです」「そこで辞めてしまうから『無理』になってしまうんです。全力で走らせてそれを1週間続けさせればそれは『無理』じゃなくなるんです」と述べている。
著書・CD
- 社長が贈り続けた社員への手紙 フードビジネスの革命児が書いた人生に勇気が湧くメッセージ(1998年、中経出版)
- 前略…。 青年社長・渡邉美樹が贈る30通の返信 (2000年、東洋経済新報社)
- サービスが感動に変わる時 青年社長渡邉美樹の社員への熱いメッセージ (2002年、中経出版)
- 思いをカタチに変えよ! だれもが人生の主人公で生きるために (2002年、PHP研究所)
- 父と子の約束 ワタミの成功を生んだ人間哲学の原点 (2004年、世界文化社)
- さあ、学校をはじめよう 子どもを幸福にする青年社長の教育改革600日(2004年、ビジネス社)
- 「ありがとう」の伝説が始まる時 (2004年、中経出版)
- 新たなる「挑戦」 夢をカタチにする時 (2005年、ソフトバンクパブリッシング)
- 渡邉美樹の夢に日付を! 夢実現の手帳術 (2005年、あさ出版)
- きみはなぜ働くか。 渡邉美樹が贈る88の言葉 (2006年、日本経済新聞社)
- 使う! 「論語」 (2007年、三笠書房)
- もう、国には頼らない。(2007年、日経BP社)※本書中で「魚民」を経営するモンテローザを、商標を巡っての訴訟で和解が成立しているにも拘らず中傷したとして提訴され、300万円の賠償を命じられる。
- 無人島ウィー。(2008年、日経BP社)
- 強く、生きる。(2008年、サンマー)
- 『危機の時代にも成長できる生き方』(CD)、伊藤洋一との対談(2009年、アートデイズ)
- 『これだけで「組織」は強くなる 戦うリーダーの作り方 』(2010/7/7 角川書店) 野村克也共著
関連項目
外部リンク
- わたなべ美樹の裏のない話 オフィシャルブログ Powered by Ameba
- わたなべ美樹.net
- わたなべ美樹(@watanabe_miki)- Twitter