「フュージョン (音楽)」の版間の差分
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− | アメリカの[[ビルボード]]においてはフュージョンは[[コンテンポラリー・ジャズ]]と分類されており、この'''コンテンポラリー(同世代の)'''の意味合いは、「'''現時点における音楽の手法''' | + | アメリカの[[ビルボード]]においてはフュージョンは[[コンテンポラリー・ジャズ]]と分類されており、この'''コンテンポラリー(同世代の)'''の意味合いは、「'''現時点における音楽の手法'''を用いたもの」と考えた方がいいだろう。ここで混合されやすいのは[[モダン・ジャズ]]との違いである。 |
「[[ビート (ドラム・ビート)#16ビート|16ビート]]」がその代名詞ともなっていき、後には、このジャズやロックなどがミックスされた音楽であるフュージョンの要素が、「[[ビート (ドラム・ビート)#8ビート|8ビート]]」中心のロックなどにも、逆に取り込まれるようになる。そのことからも、現在の視点から判断すると、単なるミックスされた音楽というよりも、前述した「新たな独立した[[ポピュラー音楽においてのジャンル|音楽ジャンル]]」という表現の方が相応しい。 | 「[[ビート (ドラム・ビート)#16ビート|16ビート]]」がその代名詞ともなっていき、後には、このジャズやロックなどがミックスされた音楽であるフュージョンの要素が、「[[ビート (ドラム・ビート)#8ビート|8ビート]]」中心のロックなどにも、逆に取り込まれるようになる。そのことからも、現在の視点から判断すると、単なるミックスされた音楽というよりも、前述した「新たな独立した[[ポピュラー音楽においてのジャンル|音楽ジャンル]]」という表現の方が相応しい。 | ||
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このような楽曲的性格から、[[バックグラウンドミュージック|BGM]]としても馴染みの良い音楽に仕上がっているため、番組専用の音楽が作られていない[[テレビ]]・[[ラジオ]]番組において、あらゆる場面であらゆるアーティストの楽曲がテーマ曲やBGMとして多用されているほか、中には番組テーマ曲として使用されることを前提として作られた曲も存在する。 | このような楽曲的性格から、[[バックグラウンドミュージック|BGM]]としても馴染みの良い音楽に仕上がっているため、番組専用の音楽が作られていない[[テレビ]]・[[ラジオ]]番組において、あらゆる場面であらゆるアーティストの楽曲がテーマ曲やBGMとして多用されているほか、中には番組テーマ曲として使用されることを前提として作られた曲も存在する。 | ||
− | また、売れる音楽ということで、ジャズ[[音楽家|ミュージシャン]]側からこの音楽を演奏する状態も多かったが、[[日本]] | + | また、売れる音楽ということで、ジャズ[[音楽家|ミュージシャン]]側からこの音楽を演奏する状態も多かったが、[[日本]]でのブームの際には、多数のジャズ系ミュージシャン、それより少数派のロック系ミュージシャンの他、後に、独自のフュージョン系ミュージシャンも登場した。そのことからも、現在は、「伝統的なジャズの流れや進歩の系譜として扱うには、やや疑問」という見解と、逆にここから、現在のジャズの最先端ともいうべき、ポップ化への動きが盛んになったとの見方もあり、そういった「現在のコンテンポラリー・ジャズへ至る、あらゆる意味での大元である」との見解とに別れている。 |
== 起源 == | == 起源 == | ||
1960年代半ばに[[キャノンボール・アダレイ]]がジャズとポップを融合させた音楽を演奏し始める。'60年代後半になると[[マイルス・デイヴィス]]や[[トニー・ウィリアムス]]の[[ライフタイム]]が[[エレクトリックギター|エレクトリック・ギター]]や[[ベース・ギター]]、[[エレクトリック・ピアノ]]といった[[電気楽器]]を用いてロックをジャズに取り入れ演奏し始める。後に[[ハービー・ハンコック]]や[[ジョー・ザヴィヌル]]、[[ヤン・ハマー]]、[[チック・コリア]]等が[[モーグ・シンセサイザー]]を取り入れ始める。 | 1960年代半ばに[[キャノンボール・アダレイ]]がジャズとポップを融合させた音楽を演奏し始める。'60年代後半になると[[マイルス・デイヴィス]]や[[トニー・ウィリアムス]]の[[ライフタイム]]が[[エレクトリックギター|エレクトリック・ギター]]や[[ベース・ギター]]、[[エレクトリック・ピアノ]]といった[[電気楽器]]を用いてロックをジャズに取り入れ演奏し始める。後に[[ハービー・ハンコック]]や[[ジョー・ザヴィヌル]]、[[ヤン・ハマー]]、[[チック・コリア]]等が[[モーグ・シンセサイザー]]を取り入れ始める。 | ||
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2013年4月27日 (土) 17:25時点における最新版
フュージョン(Fusion, Jazz Fusion)とは、ジャズを基調にロックやR&B、電子音楽などを融合(フューズ)させた音楽のジャンル。産業ロック、ディスコ、AORと同様、商業主義に走った音楽として批判された。
概要[編集]
1960年代の後半より、電気楽器やロック風な奏法を取り入れた、新しい演奏スタイルジャズ・ロック、クラシックや現代音楽の要素を取り入れたクロスオーバーを経て、アメリカなどでは1970年代終盤、日本でも同時期から1980年代に入ると、よりソフィスティケイトされたポピュラーな曲想や演奏となった。これを、他のジャンルと融合した音楽としてフュージョンという新たなジャンルで呼ばれた。1990年代より現在ではよりポップ性を持たせ、大衆により聞きやすくなったスムーズジャズがアメリカのラジオ局を中心に人気になっている。
アメリカのビルボードにおいてはフュージョンはコンテンポラリー・ジャズと分類されており、このコンテンポラリー(同世代の)の意味合いは、「現時点における音楽の手法を用いたもの」と考えた方がいいだろう。ここで混合されやすいのはモダン・ジャズとの違いである。
「16ビート」がその代名詞ともなっていき、後には、このジャズやロックなどがミックスされた音楽であるフュージョンの要素が、「8ビート」中心のロックなどにも、逆に取り込まれるようになる。そのことからも、現在の視点から判断すると、単なるミックスされた音楽というよりも、前述した「新たな独立した音楽ジャンル」という表現の方が相応しい。
このような楽曲的性格から、BGMとしても馴染みの良い音楽に仕上がっているため、番組専用の音楽が作られていないテレビ・ラジオ番組において、あらゆる場面であらゆるアーティストの楽曲がテーマ曲やBGMとして多用されているほか、中には番組テーマ曲として使用されることを前提として作られた曲も存在する。
また、売れる音楽ということで、ジャズミュージシャン側からこの音楽を演奏する状態も多かったが、日本でのブームの際には、多数のジャズ系ミュージシャン、それより少数派のロック系ミュージシャンの他、後に、独自のフュージョン系ミュージシャンも登場した。そのことからも、現在は、「伝統的なジャズの流れや進歩の系譜として扱うには、やや疑問」という見解と、逆にここから、現在のジャズの最先端ともいうべき、ポップ化への動きが盛んになったとの見方もあり、そういった「現在のコンテンポラリー・ジャズへ至る、あらゆる意味での大元である」との見解とに別れている。
起源[編集]
1960年代半ばにキャノンボール・アダレイがジャズとポップを融合させた音楽を演奏し始める。'60年代後半になるとマイルス・デイヴィスやトニー・ウィリアムスのライフタイムがエレクトリック・ギターやベース・ギター、エレクトリック・ピアノといった電気楽器を用いてロックをジャズに取り入れ演奏し始める。後にハービー・ハンコックやジョー・ザヴィヌル、ヤン・ハマー、チック・コリア等がモーグ・シンセサイザーを取り入れ始める。
トランペッターのマイルス・デイヴィスがIn a Silent Way (1969)とBitches Brew (1970)を発表した。 スムーズ・ジャズ系のアーティストについてはスムーズ・ジャズの項目を参考のこと。
主なフュージョンのミュージシャン[編集]
海外のミュージシャン[編集]
- アール・クルー Earl Klugh
- アジムス Azymuth
- アル・ジャロウ Al Jarreau
- アル・ディ・メオラ Al Di Meola
- イエロージャケッツ Yellow Jackets, The
- ウェザー・リポート Weather Report
- エリック・ゲイル Eric Gale
- オマー・ハキム Omar Hakim
- クリス・ボッティ Chris Botti
- クルセイダーズ The Crusaders
- グローヴァー・ワシントン・ジュニア Grover Washington, Jr.
- ケニー・G Kenny G
- シーウィンド Seawind
- ジェフ・ベック Jeff Beck
- ジェフ・ローバー Jeff Lorber
- ジェリー・ヘイ Jerry Hey
- シャカタク Shakatak
- ジャコ・パストリアス Jaco Pastorius
- ジョー・ザヴィヌル Joe Zawinul
- ジョー・サンプル Joe Sample
- ジョージ・デューク George Duke
- ジョージ・ベンソン George Benson
- ジョー・ベック
- ジョン・マクラフリン John McLaughlin
- スタッフ Stuff
- スタンリー・クラーク Stanley Clarke
- ステップス・アヘッド Steps Ahead
- スパイロ・ジャイラ Spyro Gyra
- チャック・マンジョーネ Chuck Mangione
- チック・コリア Chick Corea
- デイヴ・グルーシン Dave Grusin
- デイヴィッド・サンボーン David Sanborn
- デイヴィッド・ベノワ David Benoit
- デオダート Deodato
- デニス・チェンバース Dennis Chambers
- トム・スコット Tom Scott
- ドン・グルーシン Don Grusin
- ネーザン・イースト Nathan East
- ノーマン・ブラウン Norman Brown
- ハービー・ハンコック Herbie Hancock
- ハーヴィー・メイソン Heavey Mason
- ハイラム・ブロック Hiram Bullock
- パット・メセニー (パット・メセニー・グループ) Pat Metheny (Pat Metheny Group)
- ヒロシマ Hiroshima
- ヒューバート・ロウズ Hubert Laws
- フィリップ・セス Philippe Saisse
- フォープレイ Fourplay
- ブライアン・カルバートソン Brian Culbertson
- フルーツケーキ Fruitcake
- ポール・ジャクソンPaul Jackson
- ボブ・ジェームス Bob James
- マーカス・ミラー Marcus Miller
- マイケル・ブレッカー Michael Brecker
- マイク・スターン Mike Stern
- マイク・マイニエリ Mike Mainieri
- マハヴィシュヌ・オーケストラ Mahavishnu Orchestra
- マリーナ・ショウ
- マリーン Marlene
- ミニー・リパートン
- メゾフォルテ Mezzoforte
- ラムゼイ・ルイス Ramsey Lewis
- ラリー・カールトン Larry Carlton
- リッピントンズ The Rippingtons
- リー・リトナー Lee Ritenour
- リターン・トゥ・フォーエヴァー Return To Forever
- リチャード・ボナ Richard Bona
- レニー・ホワイト Lenny White
- レベル42 Level 42
- ロベン・フォード Robben Ford
- ロイ・エアーズ Roy Ayers
- ロニー・リストン・スミス Lonnie Liston Smith
- ロニー・ロウズ
日本のミュージシャン[編集]
- カシオペア
- ケイコ・リー
- 塩谷哲
- 須藤満
- 神保彰
- スペクトラム
- 高中正義
- T-SQUARE
- 鳥山雄司
- ナニワエキスプレス
- ネイティブ・サン
- PARACHUTE
- 日野皓正
- プリズム
- 堀井勝美
- 本多俊之
- 本田雅人
- 松居慶子
- 松岡直也
- MALTA
- 渡辺香津美
- 渡辺貞夫
関連項目[編集]