「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」の版間の差分
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2009年8月15日 (土) 16:00時点における版
ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ (Romuska Palo Ur Laputa) は宮崎駿監督の映画『天空の城ラピュタ』に登場する架空の人物。声は俳優の寺田農、英語版ではマーク・ハミルが演じた。
劇中はムスカ、もしくは大佐と呼ばれる。主人公の行く手に立ちはだかる悪役として描かれるキャラクターであるが、特徴的かつ個性的なキャラクターによる存在感とカリスマ性で多くの人々に衝撃を与えた。宮崎作品では珍しい、完全な悪役である。
人物
シータと同じラピュタ王家の末裔。年齢は28歳(アニメージュ記載)と32歳(ロマンアルバム記載)の2説がある。頭髪はブラウンで、同色のダブルの背広(シングルの背広で登場するシーンもある)を着ている。瞳の色は金色で視力は低い。度の入ったサングラスをかけている。血液型はAB型。
政府の情報機関(作品中では「特務」)に属しており、階級は大佐。政府の密命を受けて謎の天空城ラピュタの調査をしていた。空賊(空中海賊)のドーラ同様に暗号解読の天才[1]であり、一瞬にして相手の暗号を解読する能力を持つ。また旧約聖書やラーマヤナなどの古代文献を調査したり、ラピュタ文字を解読するなど、高い教養も併せ持っている知識人。拳銃の射撃技術も相当な腕前で、離れた位置からシータの左右のおさげ髪を撃ち抜き[2]、中折れ式リボルバー(エンフィールドNo.2)の再装填を3秒で完了させている[3]。
性格は冷酷かつ利己的。だが軍のラピュタ探索隊の指揮官であるモウロ将軍とは異なり、基本的には手荒な行為を好まない紳士的態度を見せる。
王家の末裔としてラピュタによる世界統治を目論んでおり、軍に協力する素振りを見せながら機会を伺っていた。
名前
もともとは一つだったラピュタ王家は、地上に降りた際に二つに分かれたと作中でムスカが語っている。シータの王族としての名はリュシータ・トエル・ウル・ラピュタであり、「トエル・ウル・ラピュタ」が「真のラピュタ王」を表すと作中で説明されている。ムスカの王族としての名「ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ」と比較すると、「真」を表す「トエル」がないことから、ムスカ一族は正統な王位継承者ではなく、分家のようなものであると思われる。
また、「パロ」(παρ、par) はギリシャ語で「従属」の意味を示す(パロディを参照の事)。これを古代語と見做して当てはめてみると「ラピュタ副王」となる。
名言
ムスカは作中での役割以上に数々の名言によって人々から記憶されている。とりわけ破壊されたゴリアテ(作中に登場する空中戦艦)から落下する人々を見て喜び、シータに言い放った台詞はスタジオジブリ作品屈指の名言として知られている。またこれを初めとしたムスカの数々の台詞が他作品でパロディとして用いられ、Youtubeやニコニコ動画でのオリジナルムービーやMADでもネタにされる事が多い。こうした現象が手伝ってか、北米などでも知名度が高いキャラクターである。
行動と最期
ラピュタを目指すムスカは、いくつもの障害を乗り越えた末に飛行石を入手し、飛行石が示す光を手掛かりに、ラピュタが存在する「竜の巣」へ向かった。
ラピュタに到着したムスカは、古文書に記された通路を抜けて中心部に辿り着く。そしてラピュタの復活、ラピュタ王への即位、全地上の征服を宣言した。ラピュタの兵器とロボットによる軍への攻撃を急ぐムスカは、シータに隙を衝かれて飛行石を奪われる。ムスカは玉座の間でシータを捕らえるが、飛行石はパズーに託されていた。パズーにシータの命と飛行石の引き換えを提案するムスカは、弾切れのリボルバーに再装填するため、シータとパズーに3分の猶予を与える[4]。猶予の間に、シータとパズーは滅びの言葉による決着を選ぶ。
ムスカは、滅びの言葉「バルス」の発動で発生した強烈な閃光により視力を失ったような言動をとり(本当に失明したのか、目がくらんだだけなのかは不明)、崩壊するラピュタの瓦礫と共に海へ転落した。滅びの言葉を唱えた二人は、閃光が発生した瞬間に吹き飛ばされ目を瞑っている。
ラストシーンで崩壊するラピュタの瓦礫に混じり落ちてゆくムスカは、宮崎の絵コンテにも書かれている。
その他の設定
『天空の城ラピュタ』の原案は『未来少年コナン2』として書かれたものである。その第一作『未来少年コナン』に登場するレプカと初期設定のムスカの顔が酷似していたため「レプカの祖先」との設定があったが、後にイメージの変更をしたためあくまで初期段階での設定である[5]。
『未来少年コナン2』は企画倒れとなり、再編集された劇場版『未来少年コナン』が製作された。宮崎による同原案から、NHKを通して、ガイナックスによって『ふしぎの海のナディア』が制作された。
ムスカ語録
(書きかけ)
脚注
ディスコグラフィー
シングル
アルバムは未発売。