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2014年8月3日 (日) 23:44時点における最新版
日本電信電話株式会社は、日本の通信事業最大手であるNTTグループの持株会社である。
本項では持株会社である日本電信電話(株)単独の事項に加えて、NTTグループの概要を述べる。
目次
概説[編集]
中曽根内閣の民活路線のもと、1985年に3公社(日本電信電話公社、日本専売公社→現「日本たばこ産業」、日本国有鉄道→現「JR各社」)の民営化が決定した。その一環として日本電信電話株式会社法(現在の日本電信電話株式会社等に関する法律、以下「NTT法」と呼称する。)が施行されたことにより、旧日本電信電話公社の業務を承継し設立された特殊会社である。同法はNTTの常時発行済株式総数の3分の1を日本政府が保有しなければならないと定めている。政府保有株の名義人は財務大臣である。
1987年2月9日に株式公開した。翌10日に160万円の初値がつき、2ヶ月後に史上最高値の318万円まで高騰したエピソードは、バブル景気の象徴として語り継がれている。
民営化後もその事業範囲の広大さと経済への影響力の大きさから、米国の圧力により国鉄分割(JR7社)のような地域分割論が噴出し政治問題化した。NTTは地域分割を回避すべく、ソフトウェア開発のNTTデータや移動体通信のNTTドコモなど、固定電話事業以外での子会社を設立し議論をかわしてきた。
しかし、1997年に改正NTT法が国会で成立し、4社分割による再編成が決定した。1999年に固定電話事業は都道府県間電話部門として東日本電信電話(NTT東日本)、西日本電信電話(NTT西日本)に分割された。また長距離部門はNTTコミュニケーションズ(NTTコム)が設立され引き継いだ。そしてNTT自身は東西NTTとNTTコムに加え、NTTドコモとNTTデータを傘下に置く持株会社となった。NTTコムは法律上完全民営化を果たし、悲願だった国際通信に参入した。この再編でNTTは業務範囲を拡大し、他通信会社から「焼け太りだ」と非難の声が上がった。
現在NTTという呼称は、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズを抱合する固定電話事業(分割前のNTT自身が行っていた電気通信事業)を指すことが多い。
NTT法第3条により、NTT及びNTT東日本並びにNTT西日本は、その事業上、常に経営が適正かつ効率的に行われるように配意し、国民生活に不可欠な電話の役務のあまねく日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与するとともに、今後の社会経済の進展に果たすべき電気通信の役割の重要性に鑑み、電気通信技術に関する研究の推進及びその成果の普及を通じて日本の電気通信の創意ある向上発展に寄与し、もつて公共の福祉の増進に資するように努力しなけばならない、とされているが、具体的且つ個別・直接的な義務は負っていない。また、同法第2条第4項により、県境を越える通信サービスを開始する場合は総務省の認可が必要である。
現在も、基礎研究を手掛ける研究部門は分割されず持株会社内部に残っている。持株会社の事務部門は基本的には子会社からの出向という形を取っているが、研究職は持株会社が独自に採用している。また、独自に研究セクションを設けた子会社もある。
NTTは日本最大の企業体であると同時に世界最大の情報通信コングロマリットでもある。一方、グループ内で事業内容が重複しており、全グループ規模で事業・サービスの整理・統合を進めている。
NTTグループが手がける主なサービス[編集]
電気通信役務 も参照
有線での通話・通信事業[編集]
- 電報 (1869年開始) (現NTT東日本・西日本)
- 加入電話 (1890年開始) (現NTT東日本・西日本)
- キャッチホン(1970年開始)(現NTT東日本・西日本)
- フリーダイヤル(1985年開始)(現NTTコム)
- ISDN(INSネット)(1988年開始)(現NTT東日本・西日本)
- ダイヤルQ2(1989年開始)(現NTT東日本・西日本)
- テレジョーズ(1992年開始)(現NTTコム)
- テレドーム(1993年開始)(現NTTコム)
- テレゴング(1993年開始)(現NTTコム)
- テレホーダイ(1995年開始)(現NTT東日本・西日本)
- テレチョイス(1995年開始)(現NTTコム)
- キャッチホン2(1995年開始)(現NTT東日本・西日本)
- ナビダイヤル(NTTコム)
- フレッツシリーズ 「フレッツADSL、Bフレッツ、フレッツISDN」(NTT東日本・西日本)
- ナンバーディスプレイ(現NTT東日本・西日本)
- ひかり電話(現NTT東日本・西日本)
移動体通信事業[編集]
- 新幹線の列車公衆電話サービス(1965年開始)(現NTTコム) - 新幹線列車への着信、新幹線列車からの発信。2004年6月、着信サービス終了。
- 携帯電話 「mova」「FOMA」 (現NTTドコモ)
- PHS (旧NTTパーソナル→現NTTドコモ)(1997年終了)
- ポケットベル「クイックキャスト」 (現NTTドコモ)(1996年終了)
- 衛星通信 ワイドスター(現NTTドコモ他)
- 船舶電話 (ドコモ・センツウ)
- DoPa (現NTTドコモ)
公衆無線LAN[編集]
- NTTブロードバンドプラットフォーム(インフラ構築)Wi-Fine
インターネット・サービス・プロバイダ[編集]
金融・リース[編集]
その他事業[編集]
- CAFIS「クレジットカードオンラインシステム」 (現NTTデータ)
- 銀行オンラインシステム (NTTデータ)
- 都市開発(現NTT都市開発、現NTTファシリティーズ)
- 国際電話(現NTTコミュニケーションズ)
- テレビジョン中継回線
- ドットコムマスター(.com Master)(現NTTコミュニケーションズ)
識別番号[編集]
- 0033(NTTコミュニケーションズ)
- 0036(NTT東日本)
- 0039(NTT西日本)
研究拠点[編集]
- 横須賀研究開発センタ(神奈川県横須賀市)
- サイバーコミュニケーション総合研究所
- サイバーソリューション研究所
- サイバースペース研究所
- 未来ねっと研究所
- アクセスサービスシステム研究所
- サイバーコミュニケーション総合研究所
- 武蔵野研究開発センタ(東京都武蔵野市)
- 厚木研究開発センタ(神奈川県厚木市)
- 筑波研究開発センタ(茨城県つくば市)
- アクセスサービスシステム研究所
- NTT京阪奈ビル(京都)(京都府相楽郡精華町)
- コミュニケーション科学基礎研究所
- 幕張ビル(千葉県千葉市美浜区)
- ネットワークサービスシステム研究所
- アクセスサービスシステム研究所
災害対策基本法関連[編集]
NTTグループでは、以下の企業が災害対策基本法で内閣総理大臣の指定を受けており、災害発生時に他の指定公共機関相互の通信を確保する義務を負っている。
- 当社…グループ全体における通信業務の調整
- NTT東日本・NTT西日本
- NTTコミュニケーションズ
- NTTドコモ
ライバル企業のKDDIも、1社で上記サービスや携帯電話サービスを行っていることから同法に基づく指定を受けている。
医療機関[編集]
旧逓信病院を引継ぎ運営を実施している。企業立病院であるが、NTTグループ関係者以外も利用が可能である。 医療機関としては東京都品川区のNTT東日本関東病院、北海道札幌市中央区に札幌病院、宮城県仙台市若林区にNTT東日本東北病院、長野県長野市にNTT東日本長野病院、静岡県田方郡函南町にNTT東日本伊豆病院があり(なお函南町はNTT西日本のエリアである)、NTT西日本においても同様に大阪府大阪市天王寺区にNTT西日本大阪病院、京都府京都市南区にNTT西日本京都病院、愛知県名古屋市中区にNTT西日本東海病院、NTT西日本九州病院、NTT西日本金沢病院、愛媛県松山市にNTT西日本松山病院が設置されている。
CI[編集]
ロゴ[編集]
シンボルロゴはダイナミックループと呼ばれる。NTT誕生の際、グラフィックデザイナー亀倉雄策が海外の会社から発注を受けて制作担当した。
ドメイン名[編集]
NTTはインターネットドメイン名として、JPccTLDの運用初期から『ntt.jp』を有していた。
JPNICがセカンドレベルドメインを導入した際、NTTはドメイン名が広く認知されていることを理由に特別に『ntt.jp』の継続使用を許されていたが、後にco.jpドメインへと移行 (ntt.co.jp) した。
高エネルギー物理学研究所 (KEK、当時『kek.jp』を保持) にも同様の措置がなされたが、こちらはセカンドレベルドメイン導入後、汎用JPドメインが誕生するまでの間も『kek.jp』を使い続けていた。
俗称[編集]
1990年代前半のパソコン通信の全盛期、キーボードの「N」「T」「T」に刻印されたカナ文字から、ニフティサーブ等のパソコン通信のコミュニティを中心に、隠語的に「みかか」とも呼ばれ、パソコン通信やインターネットのダイヤルアップ接続にかかる高額な電話料金は「みかか代」と表現することも多かった(詳細はみかかの項参照)。